ロッテのドラフト1位ルーキー・佐々木朗希投手(18=大船渡)ら新人7選手が10日にロッテ浦和工場と一軍、二軍施設を訪問した。“令和の怪物”大フィーバーの到来もいよいよ。球団はすでに来年1月の新人合同自主トレを例年のロッテ浦和球場から本拠地ZOZOマリンスタジアムで行うことを発表しているが、選手からも佐々木朗を守れとばかりに“東北人会”発足の流れが持ち上がっている。

 人気商品の生産過程を見学した佐々木朗は「工場を見学するのは初めてでした。チョコレートのいい香りが漂っていて、不思議な感じがしました」。同社の看板商品「パイの実」の生産ラインは見ることができなかったが「パイの実が64層から成っていることを聞いてとてもビックリしました。何事も積み重ねが大事だと改めて感じました。自分もプロの世界で一つひとつ積み重ねていきたい」と商品に絡めた満点回答で周囲を沸かせた。

 午後には本拠地ZOZOマリンスタジアムを見学。小学校6年生の少年野球大会以来、6年ぶりにマリンのマウンドに上がった佐々木朗は「(当時は)初めてプロのマウンドでやらせてもらって、とても球場が広くて驚いていた。1イニングくらいしか投げてないので(印象は)あまりないんですけど、これからつくっていきたい」と土の感触を確かめながら話した。

 この日の施設見学は非公表だったにもかかわらず、浦和の二軍施設、本拠地マリンにもファンの姿が。1月の新人合同自主トレを前に大フィーバーの到来を予感させたが、そんな大物ルーキーに先輩ナインも受け入れ態勢を整えている。

 今季チームトップタイの8勝を挙げブレーク、佐々木朗が教わりたい先輩として名前を挙げた青森出身の種市は「ドラフト6位の僕でもそうだったんですが、東北からこっちに出てくるときは周りも知らない人、知らない先輩ばかりでそこでストレスを感じてしまっていた」と奥手で人見知りな“東北人あるある”に触れつつ「僕のときは(秋田出身の)成田さんとかによくしてもらっていた。フレンドリーにメニューや雑用を教えてくれたり。弟子入りとか自分はまだそういう立場ではないですが、幸い東北の先輩はたくさんいる。その中で意見交換をしたり、話していけたら」と佐々木朗入団を機に“マリーンズ東北人会”を設立したい考えだ。

 同じく宮城出身の平沢も「自分のときは先輩たちが下の名前(大河)で呼んでくれて、やりやすい環境をつくってくれた。今度は自分もそうしてあげられるように」と“ロウキ”呼びを示唆。地元は大阪ながら秋田の明桜高校から入団したプロ1年目の山口も「先輩として教えられるところは教えてあげたい」とバックアップを約束した。

 もちろん高校生最速を更新した怪物だからこそ、逆に先輩たちも聞きたいことは盛りだくさん。教え教わり、地元トークで盛り上がりつつ、有意義な関係を築いていく。