ロッテ・佐々木朗希 動作解析のプロが断言「夢の170キロを実現する日」

2019年12月11日 11時00分

夢の170キロへ、佐々木朗の背番号は17に

“令和の怪物”の行く末は――。ロッテの新入団選手発表会が9日、東京都内で行われ、ドラフト1位指名の佐々木朗希投手(18=大船渡)ら新入団7選手がファンの前でユニホーム姿を初披露した。晴れてロッテの一員となり、この先はどんな成長曲線をたどるのか。かねて佐々木朗の投球動作を分析し、U18代表合宿前には直接指導も行った動作解析のスペシャリスト、筑波大・川村卓准教授が怪物の未来予想図を語った。

 会見では「大船渡高校から参りました佐々木朗希と申します。これからマリーンズのために一生懸命プレーしてまいりますので応援よろしくお願いします」と丁寧にあいさつ。あこがれの選手については初めて個人名としてヤンキース・田中将大投手を挙げ「投手として完璧なところが僕にとっては理想。負けないことは難しいこと。それを24回積み重ねるのはすごいこと。自分もそういう投手になりたい」と話した。

 井口監督は1年目の投球回数のメドについて、一部で「一、二軍合わせて50イニングくらい」と話しており、依然として慎重なかじ取りを続ける意向。では、動作解析の専門家は佐々木朗の状態をどう見るのか。

 筑波大で監督を務める傍ら野球の動作力学を専門に研究し、U18代表合宿前には佐々木朗を直接指導した川村准教授は「徐々に大人の体になってきていると考えられます。投げられる、投げられないで言ったら、すでに問題なく投げられるでしょう。いわゆるプロの管理のもとで連投防止など一般的なケアを行えば、他の高校生新人と比較しても特別慎重になる必要はない。4月、5月には一度一軍で投げさせて、課題を見つけては下に落とす育成で大丈夫だと思います」とプロ1年目から一軍で通用する可能性を示唆する。

「1年目から好投と炎上を繰り返すピッチングになるでしょう。現時点でも調子が良ければプロが手も足も出ない球を投げられる。一方で、調子が悪いなりにまとめたり、試合の中で修正できる能力がローテーションを守る投手には必要です。しかし、これは経験値によるもの。悪いときは荒れ球で、修正できずに終わる内容になると思う」

 一か十か。ある意味で怪物らしいプロでのスタートになりそうだが、モノになるにはやはり長い時間を要するという。160キロ超のストレートに徐々に耐えうる体になってきたとはいえ、1年間を通じて試合や練習で力を出し続けるための体力はまだまだ他より劣っている。順調にいっても1年目は1か月に一度の登板、2年目3年目と徐々に間隔を狭めていき、4~5年目にようやくローテーション入りというのが川村准教授の描く成長曲線だが、この時点でもなお、成績は10勝10敗程度に収まると見ている。

「ダルビッシュや大谷は1年目から13~14試合を投げていますが、強豪校で甲子園にも出た彼らは高校生の段階である程度完成していた。裏を返せばそこで投手としてまとまってしまった側面もある。佐々木が面白いのはいい意味でこれまで何もやってこなかったこと。ダルや大谷が高校時点で詰め込んでしまった経験やテクニックを、よりゆっくりと時間をかけ、より大きいスケールで覚えていける。それだけに、ローテを守れる投手になるまでにはそれなりの時間がかかるし、逆に言えばある程度の時間をかけてあげなければダメなんです」

 筋力、体力、経験値。すべての要素が備わるのが24~25歳。そのころにはタイトルを取り「165キロ、170キロという夢の数字も十分現実的なものになるでしょう」と断言する。「ノーラン・ライアンも若いころは荒れ球で、160キロ近くを出しながらほとんどが四球だった。それが大人になるにつれ、まとまっていって大投手に成長した。僕が佐々木に抱いているのはちょうどライアンのイメージです」と川村准教授。いずれにせよ野球ファンにとっては1年目から目が離せない存在になる。