ソフトバンク・王貞治球団会長(79)が8日、鷹の日本一連覇継続に強い自信を示した。

 王会長はこの日、巨人V9時代の監督で「打撃の神様」と呼ばれた川上哲治氏が来年3月に生誕100年を迎えることを記念したトークショーに登場。「選手としても指導者としてもいい影響をたくさん受けた」という師の出身地である熊本・人吉市で、いかにしてV9が誕生したのかを振り返り、陣頭指揮を執る鷹の常勝軍団化への誓いを新たにした。

 ソフトバンクにとって、2020年はリーグV奪回&日本一4連覇を目指すシーズンだ。他球団も積極的な補強に動き、2年連続CS敗退に追い込んだライバル・西武、日本シリーズでスイープした巨人は「打倒ホークス」に燃えている。

 真価を見せた今秋ポストシーズンの戦いを振り返り「チームで相手をよく研究して、その分析通りに選手がプレーできる。そこは改めて見直した部分」と現在のチームをたたえ「かなりV9に近づいている」と川上巨人の偉業超えへさらなる強化を誓った。

「川上さんは勝つために(選手の心理など)いろんなことを計算して徹底していた」。川上氏は一つのポジションに2~3人のレギュラークラスを揃え、チームに競争原理を導入。選手に一時も安心感や達成感を抱かせないマネジメントで常勝軍団を築いた。「今のウチにつながっているよね。選手というのは安住させちゃいけないんだよ。常に危機感を持たせることが大事なんだ」

 さらに「選手というのはやっぱり試合に出られなくなるのが一番嫌なんだ。そういう意味では強力な選手が入ってくるというのは気になる。でも、それが選手のためになるんだよね。やっぱり自分を高めるというね。(3年連続で)日本一になったんだけど、また、そこで新たな危機感を持つというね」と続けた。

 チームはバレンティンの加入が決定的。外国人先発投手の獲得調査も同時並行で着々と進めている。「選手たちにとってはすごく嫌なことなんだけどね。でも、プロは一年でも長くやらないといけない。それが一番なんだよ。(競争にもまれることで)選手寿命を延ばすことにもつながる」。危機感を持った主力の限界値を押し上げ、チーム力の底上げへつなげていく。