西武あえて“指導者保証”なしで松坂獲得の狙い

2019年12月04日 16時30分

松坂の西武復帰が正式発表された

「客寄せパンダ」「引退興行」との批判は覚悟の上だ。西武は前中日の松坂大輔投手(39)との契約合意を3日に発表。年俸3000万円プラス出来高の1年契約で2006年以来、14年ぶりの古巣復帰が決まった。背番号は「16」。会見で渡辺久信GM(54)は「あくまで現役選手としての獲得」と強調したが、本当にそうなのか。“指導者保証”をつけなかった渡辺GMの思いとは――。

 2年前の中日移籍時、本紙に「もうライオンズが僕に声をかけることはないと思う」と古巣復帰をあきらめていた松坂の西武帰還が3日、正式に発表された。

 渡辺GMは会見で「中日の退団が決まってからずっと調査はしてきました。ウチには必要な戦力だと思ったので、オファーし先日(契約が)合意しました」とコメント。その上で「本人はまだ現役をやりたい。ウチとしても先発投手は必要ということでオファーをした。本人も(復活への)強い意志を持ってキャンプに来てくれると思う。今は昔の若いころとスタイルも変わって、ボールを動かしながらゴロを打たせるタイプの投手だと思っている。今のパ・リーグにはいないタイプ」と現状への認識を語った。

 松坂がレッドソックス入りのため西武を離れた2006年当時、渡辺GMは指導者として西武に復帰して3年目の二軍監督だった。同じチームのユニホームを着ながら在籍期間が重なっていたのはわずか3年間。当時、一軍の大エースと二軍監督という立場で両者の接点は薄かったが、それから14年後、編成の責任者となった同GMでなければ今回の復帰劇はなかったのもまた事実だ。

 渡辺GMは松井稼頭央二軍監督(44)を楽天から復帰させた17年当時から温めていた今計画を「入団時に西武に入って西武で活躍して育っていった選手。当時のオールドファンももう一度見たいと期待していると思う。とにかく、いちプロ野球選手として入ってくるので、しっかりグラウンドで結果を出してほしい」とファンあってのプロ野球を強調した。

 その上で、コーチ兼任などの条件はつけずに純粋に選手として年俸3000万円プラス出来高の1年契約を結んだことについて「あくまで現役の選手として獲得しているので現役として活躍してほしい。体は元気です。そうでないと獲得しない。最後の花道というイメージはない。まずは現役をまっとうしてほしい。行けるところまで行ってほしい」とした。

 その意図の裏には、松坂本人に強いプレーヤーとしてのこだわりがあり「将来の監督やコーチ」といった通常、多くのトッププレーヤーが抱く指導者希望がないことも把握済みであるから。同GMは早い段階から本紙に「(獲得するなら)戦力としてだけ。理由が他のことだけだったら逆に大輔に失礼」と1年でも長く現役生活を続けたい松坂の強い意志をくみ、決して指導者含みの獲得ではないことを強調し続けてきた。

 そして、もちろんそれは実力や結果が伴ってのこと。世間的には日本球界復帰後の松坂の力の衰え、投球スタイルの変更、グラウンド外のことばかりが話題となる印象などから「客寄せパンダ」「引退興行」との見方が強まっている。だが、そうした周囲の見方を、結果で見返してくれ――。今回の1年契約にはそんなメッセージも込められている。(金額は推定)