指揮官の“献身”は実を結ぶか――。4年目でブレークした阪神・守屋功輝投手(26)が3日に西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1600万円増の年俸2300万円でサインした。自己最多57試合の登板で防御率3.00。「(金額は)期待した以上でビックリした。(今季は)見たことのない世界を見られた。やっとプロ野球選手になれた」と喜んだ。

 救援陣を支えたジョンソンとドリスの残留契約が難航しており、来季は勝ちパターン入りにも期待がかかる。守屋も「任されたところをゼロで抑えるのが仕事。それができればいい」と、その気だ。

 矢野監督も12球団屈指の中継ぎ陣の安定感を維持すべく手を尽くしている。チーム関係者は「監督が情報網を生かして選手のためにコンディションを整えるためのトレーナーさんや動作解析などをしてくれるトレーニング施設を紹介してくれている。特にリリーフ陣は終盤フル回転だったからそのねぎらいと『来年も頼むぞ!』という意味を込めてのことでしょう」と明かす。

 指揮官は、球団納会で「まだまだやれる。今年二軍だった人が来年は戦力になってほしい」とファーム暮らしに終始した選手に呼び掛けるなど新戦力の発掘を進める一方で、守屋ら今季の功労者たちへの“ケア”にも余念がない。来季は勝負の就任2年目となる矢野監督の親心にナインは応えたいところだ。