ソフトバンク・周東に世界の盗塁王が猛ゲキ

2019年12月04日 16時30分

サンタの格好でスライディングする周東

 ソフトバンクでもっとも旬な男、周東佑京内野手(23)が新たな野望に目覚めた。今季は開幕直前に支配下登録され、主に代走ながら25盗塁をマーク。侍ジャパンにも選出され「プレミア12」で盗塁王に輝くなど一躍、時の人となった。3日の契約更改交渉では1400万円増の2000万円でサイン。50メートル5秒7の俊足を武器にのし上がった若鷹は「足は評価していただいた」と3倍以上の昇給を喜んだ。

 だが、満足感はない。「足以外ではいい成績を残していない」からだ。世界をも驚がくさせた脚力で102試合に出場したが、打率1割9分6厘。レベルの差を痛感する貧打で出場機会は代走、守備固めに限定され、先発は22試合にとどまった。

 来季の目標はずばり盗塁王。「もっと内野を守れたら試合に出られる。打率2割5分、出塁率3割5分、100安打できれば50盗塁はできる」と掲げる数字も具体的だ。オフには名手・今宮に弟子入りして守備と打撃を鍛錬する。チームはヤクルトから自由契約となったバレンティンの加入が決定的でレギュラー争いは激化の一途だが、競争を勝ち抜き「足のスペシャリスト」からの脱却を誓っている。

 目標を明確にするうえで、きっかけとなる出会いもあった。「緊張して…直立不動でした」。今季終盤、球場で通算1065盗塁を誇る元阪急の福本豊氏(72)に呼び止められた。世界の盗塁王に「周東、お前さんは盗塁王になりたいんか」と聞かれ「はい!」と即答すると「なら、とにかく打て。四球選ぶのも大事やけど打って(塁に)出るんや」と叱咤された。育成出身2年目で働き場をつかみ、達成感もあったが「『一芸で終わるな』『レギュラーをつかんでもっと足を生かして大きくなれ』っていうメッセージ」と受け止めた。

 身長169センチ、ドラフト7位から立身出世を果たした福本氏は通算2543安打、同208本塁打を誇った。「国民栄誉賞」を蹴った男から目をかけられ、いい意味でその気になった周東が描く「未来予想図」は鷹の絶対的リードオフマンだ。