中日球団の大野雄大投手(31)に対する“最上級待遇″が意外なところから明らかになった。中日は2日に、大野雄との契約更改を「3日15時から行う」と発表したが、わずか1時間後に「3日には行いません。予定日は未定ですが決まり次第お知らせします」と訂正。実はこれ「京田(の契約更改)がまだ決まっていない。契約更改のトリは大野と決めているので」(加藤球団代表)ということが理由だった。

 中日でまだ契約更改を終えていないのは大野雄と新選手会長に就任した京田の2人だけ。当初、3日に京田、大野雄の順で契約更改を行う予定だったが、京田は代理人を立てて球団側と交渉しており、契約の細部を煮詰める必要があったため延期。そのため大トリの大野雄も自動的に別日に行うことになった。

「トリにするというのはそれだけ大野が大事な選手ということ? そりゃあそうだよ」と加藤球団代表も認めるように、大野雄の契約更改を全選手の最後に行うのは球団がエース左腕のことを最も大切な選手と位置付けているからに他ならない。

 来季中に国内FA権を取得することが濃厚な大野雄はドラゴンズにとって絶対に残ってもらいたい選手。今回の交渉では単年契約と3年契約の2種類の条件を提示しているが、できることなら3年契約を結んでほしいというのが球団側の願いでもある。「NHK紅白歌合戦」でも大トリを任されるのは特別な存在と認められた歌手だけ。「中日全選手の中で最後」という特別なステージを用意して契約交渉を行う球団の誠意と熱意は大野雄に通じるか――。