日本ハム・斎藤佑 来季プロ10年目に漏らした不安

2019年12月03日 16時30分

神妙な表情で記者会見に臨む斎藤。いよいよ来季で10年目だ

 日本ハムの斎藤佑樹投手(31)が2日に札幌市内にある球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸1600万円でサイン。2014年から続いた減俸を止めた。来季でプロ10年目を迎える。会見では「メンタルが弱いほう」と意外な弱気発言も飛び出したが、ここまで野球を続けてこられた原動力は何だったのか――。本音に迫った。

 9年目の今季は登板11試合で0勝2敗、防御率4・71に終わった。2年連続未勝利となったが、チームがオープナーやショートスターターなどの新戦術を試す中で、新しい役割を任されることもあった。契約を終えて取材に応じた斎藤は「栗山監督はじめ、新しい戦術を考えていただいて、自分もフィットするような形で使ってもらい、チャンスも増えました」と素直に謝意を口にした。

 ファンの存在も大きいという。「マウンド上では孤独ですし、自分自身はメンタルが弱いほうだと思うので、その中で応援してくださる方の存在が励みになります。学生のころから応援してくれているファンの方もいますし、北海道のファンの方々のためにも、しっかりと役割を果たして頑張っていきたいと思います」

 普段からポジティブな発言の多いタイプだが、この日は珍しく「メンタルが弱い」と言った。一体、どんな心境からそう口にしたのか? 斎藤に真相を問うと、こう返ってきた。

「今回契約させていただいたのも、今でも応援してくれるファンの方々がいたからこそ。みんなが無関心になったら、野球はできないわけじゃないですか。だからこそ時折『もしかしたらファンの方々がいなくなってしまうんじゃないか』と不安に思ってしまうこともあるんです」

 斎藤といえば、2006年夏の甲子園を制した早実時代に始まる“佑ちゃんフィーバー”で世代を問わず多くのファンを獲得してきたが、当時と比べれば、その熱も収まっている。「球場で練習しているときや仲間と話しているときは忘れられるのですが、家に帰って一人でいるときやオフの時期は、いろいろな悩みが、ふと出てしまう時があるんですよね」

 人前では明るく振る舞う人間だからこそ、そんな不安を一人抱いてしまうのかもしれない。それでも前を向けるのはファンの“リアルな声”だという。

「オフになると毎年届いた、たくさんのファンレターをまとめて頂くんです。最近では同世代の方から頂く手紙が増えてきた気がしますね。その中の一通で『自分も社会人になり、周囲の人間が活躍していっているのを見て、転職しようか悩んでいるんです』と打ち明けてくれた方がいたんです。自分の姿と重ね合わせて見てくれているんだなと思うと素直にうれしいですし、そういった応援があると、なおさら自分が頑張らないといけないなと思えるんです」

 順風満帆な野球人生ではないからこそ、ファンに感じてもらえることもある。「こんな時に応援してくれるファンの方の声って、本当に響くんですよね。なんとか活躍して、恩返しをしないといけないんです」。苦しい時期を支えてくれているファンのためにも、来季はより一層奮闘する覚悟だ。