主砲を生かすも殺すも助っ人次第か――。オリックスの吉田正尚外野手(26)が29日、大阪市内の球団施設で契約更改交渉に臨み、1億1500万円アップの年俸2億円(推定)でサイン。今季は打率3割2分2厘、29本塁打、85打点と堂々たる成績を残し、先のプレミア12では侍ジャパンの一員として大会初Vに貢献した。

 5年目での2億円到達はイチローを抜いて球団最速。吉田正は「最高の評価をしてもらった」と満足げで、2年連続の全試合出場にも「自信になった。来年も続けたい」と胸を張った。

 今や押しも押されもせぬ主砲となり、成績も安定している。打率は昨年3割2分1厘で今年と1厘違い。本塁打と安打は前年比3本増で打点は同1点減。そんな中、チーム内で懸案事項となっているのが吉田正の四球数だ。今季の79四球はリーグ6位ながら12敬遠は2年連続で同トップ。大事な場面で勝負を避けられていることが、チームにも吉田正にもマイナスになっていると関係者は言う。

「正尚の後(4番)を打つ打者がしっかりしていたら35発は打てていた。ロメロはケガが多かったし、波があったから…。正尚一人が勝敗を背負う形になっていたらどうしようもない。二死三塁でも勝負してもらえないこともあった。西武だって外崎や中村がいるから山川があれだけ打てる」

 オリックスは5年連続Bクラスで今季は最下位に沈んだ。チーム内からは「正尚は打席数を考えたら3番が一番いい。4番を打つ新外国人が日本になじむかどうか。正尚を生かすも殺すも助っ人次第」との声も上がっている。

 新助っ人としてアデル・ロドリゲス内野手(28=前パドレス3A)と合意間近。ドミニカ共和国出身でメジャー経験こそないが、マイナーで174本塁打の長距離砲だ。メディカルチェックをクリアすれば入団合意となる見込み。吉田正の“助太刀”となるか注目だ。