広島・菊池涼 メジャー挑戦も意味深「五輪発言」

2019年11月29日 16時30分

トロフィーを手に誇らしげな表情の菊池涼。メジャーと五輪への思いは強い

 赤ヘルの“忍者”はどこへ――。広島・菊池涼介内野手(29)の“意味深発言”が注目されている。球団は本人の意向を受け、すでにポスティングシステムを利用したメジャー挑戦の手続きに着手しており、週明けにも“争奪戦”がスタートする見込みなのだが、28日に都内で行われたゴールデン・グラブ賞の表彰式に出席した際、菊池涼が東京五輪への出場意欲を示したのだ。その真意とは…。

 球界の守備職人たちが集う表彰式の壇上でも、もはや“常連”の貫禄があった。7年連続7度目の受賞となった菊池涼は「うれしいです。この賞が欲しいと思って1年間頑張っていますから」と白い歯をのぞかせた。ただ質問がメジャー挑戦の話題に及ぶと「まだ何も始まっていないですから」と苦笑い。「球団も理解してやってくれていますが、まだそこまでしか言えないですね」と慎重に言葉を選んだ。

 広島は従来、ポスティングによるメジャー挑戦には寛容な立場。菊池涼についても「チャレンジを尊重したい」(鈴木球団本部長)と理解を示し、米大リーグ機構(MLB)側への手続きはこの日までに済ませた。今週末は米国内が感謝祭ウイークで連休中のためか、まだ広島側に受理の回答はないというが、今後はMLBサイドが公示次第、メジャー球団による30日間の交渉期間がスタートとなる。

 昨オフの契約更改の席で「野球をやっている以上はトップのレベルでやってみたい」と抱いていた思いを口にしてから1年。いよいよ夢に向かって歩き出す菊池涼だが、二塁専門の守備職人がどれだけMLB内で評価を得るかは微妙なところだ。本人は「どこでもいいという思いはあります」としたが、ではメジャー契約のオファーが届かなかった場合はどんな決断を下すのか…。

 そんな菊池涼はこの日、東京五輪出場への強い意欲も示した。初優勝した国際大会「プレミア12」に侍ジャパンの一員として参加した経験の意義を振り返りつつ「稲葉監督も言っていますが、世界一になったとはいっても、それはそれ、これはこれとして、来年大事な戦いがある。それは心に留めておかないといけない」と前を向いた。

 この発言は何を意味しているのか。もちろん、メジャー挑戦をあきらめて東京五輪を目指すという意味ではない。ただ、メジャー移籍がかなった場合、1年目での五輪出場は極めて難しいが、マイナー契約ならば五輪の米国代表選手がマイナー選手中心に選出されるように、五輪出場の可能性はぐっと高くなる。メジャー昇格を目指しながら“ダメなら五輪”が可能なのだ。

 広島としては本人が望む条件での移籍がまとまらなかった場合、残留も容認の構えだが…。菊池涼の「五輪発言」は、マイナー契約でもメジャーに挑戦したいという強い意志の表れなのかもしれない。