巨人・山口オーナーが注目発言 菅野の”仁義”に義理立てる

2019年11月28日 16時30分

注目発言をした巨人・山口オーナー(右)。左は阪神・藤原オーナー

 エースにも「特例」は認められるのか。巨人・山口寿一オーナー(62)が菅野智之投手(30)の米メジャー挑戦へ注目発言だ。先日、投手3冠に輝いた山口のポスティング移籍を球団史上初めて容認したが、やはり注目は3年以上前からメジャー志向を公言する菅野の行方だ。山口オーナーは海外FA権取得こそが大前提としながらも、菅野に対しては半ば“やむなし”であることを示唆した。

 27日に東京都内で開かれたオーナー会議後、巨人の今後の展望について球団トップが口を開いた。やはり注目は、山口で初めて容認されたポスティングシステムによるメジャー移籍を今後、球団として認めるか否かだ。

 山口の場合はFA入団する際に交わした異例契約を履行する形だが、ポスティングを容認したという球団初の事例に変わりはない。時代の流れもある。原監督も以前、個人的な見解として「たとえば、すごく頑張って頑張って、ジャイアンツで一生懸命やったと。で、『本当に私の夢はこうなんだ』と。これは結果として(容認が)ないとは言えない」と語っている。

 果たして球団トップの見解は――。山口オーナーは「やはり海外FA権を取得して後の挑戦というのが基本である」とした上でこう続けた。「今後、個々のケースに関しては検討していく余地は出てくるのかなというふうには思っています」。以前のような「断固反対」の方針ではないことをうかがわせた。

 そうなれば当然、注目は菅野になる。原監督の言葉を借りれば「すごく頑張って頑張って、一生懸命やった」巨人のエースだ。本人の気持ち次第では来オフにも表明する可能性もある。まさに懸案事項だが、同オーナーは「何とも言えないこと。本人からも、そういう話を我々は直接聞いているわけではないですからね」としながらも、こうも語った。

「菅野の場合にはドラフトで1年(浪人して)待ってジャイアンツに来てくれていると。それで1年、棒に振っているわけですよね。そうするとその分、海外FA権を取得する時期も後の方にずれていくという事情はありますよね。どう考えていくかは現状では何とも…これ以上は申し上げられないことではありますよね」

 2011年のドラフト会議、巨人の菅野単独指名濃厚といわれる中、日本ハムが強行指名し交渉権を獲得した。しかし、巨人への思いを強く持つ菅野は、1年間の浪人といういばらの道を選択。翌年晴れて入団し、いきなり13勝(6敗)を挙げる活躍でリーグ優勝の原動力となった。

 確かに浪人せずに入団し、順調な活躍を見せていたら、20年シーズン中にも海外FA権を取得し“正規ルート”で堂々とメジャー行きを表明できたかもしれない…。こうした「たられば」をも考慮していた同オーナーは、菅野への義理を立てたい思いがあるのかもしれない。

 当の菅野は今、メジャーへの思いを封印。腰痛に苦しんだ今季のリベンジを期すべくコンディショニングに励んでいる。来年の今頃、両者はどんなアクションに出るのか。