中日・谷元「高級時計」プレゼント未遂秘話 制限超える2500万円減の6000万円で更改

2019年11月27日 11時00分

契約更改を済ませた谷元は巻き返しを誓った

【楊枝秀基のワッショイ!!スポーツ見聞録】「俺の年俸が5000万円超えたら、高級時計を買ってやるわ」。ある先輩投手が後輩投手にこう豪語したのは10年ほど前のことだ。プロ野球の世界でよく聞く「あるある話」。その後、先輩の年俸は最高1億円に達し、現在でも現役だ。だが、後輩はすでに球界を去っている。結局、この口約束が果たされることはなかった。

 この先輩とは中日・谷元圭介投手(34)だ。25日、ナゴヤ球場で契約更改交渉を行い、野球協約の減額制限(1億円以下は25%)を超える2500万円減の6000万円でサイン。今季は38試合で0勝1敗13ホールド、防御率5・22と不本意な成績に終わった。8月以降は一軍昇格することなくシーズンを終え、球団からの条件提示を受け入れた。

 減俸は痛いに違いないが、そもそも谷元は入団テストを経て、2008年ドラフト7位で社会人のバイタルネットから日本ハムに入団。年俸は500万円からスタートした。そこから着実に実績を積み重ね、14年オフは5200万円でサイン。宣言した高級時計のラインまで年俸を上昇させ、自己最多の61試合に登板した15年オフは7200万円、16年には広島との日本シリーズで胴上げ投手となり、オフには1億円の大台を勝ち取った。

 さて、その活躍をひそかに見守っていたのは冒頭の後輩、元日本ハムのダース・ローマシュ匡さん(30)だ。現在、神戸市内でダルビッシュ記念館の館長を務めている。春ごろに筆者から連絡を取ると「谷元さんに『あのときの約束、まだ果たしてもらってないんですけど』って伝えてもらえます?」とジョーク交じりに伝言を頼まれた。谷元の返答はこう。「そんなもん、自分で買えと言うといてください」。まあ当然か…。

 確かに谷元の年俸は下がったが、その目は死んでいない。「チームとしては優勝。個人では2年続けて50試合登板できていないので、そこを目指してやっていきたい」。目標を高く設定し、秋季キャンプも志願で参加した。来季の巻き返しに期待したい。

=金額はすべて推定=

 ☆ようじ・ひでき 1973年8月6日生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、阪神などプロ野球担当記者として活躍。2013年10月独立。プロ野球だけではなくスポーツ全般、格闘技、芸能とジャンルにとらわれぬフィールドに人脈を持つ。