星稜・奥川がヤクルトと仮契約 地元・石川から異例のお願い「大船渡・佐々木とのライバル意識あおって!!」

2019年11月26日 16時30分

照れ笑いを浮かべながらヤクルトの帽子をかぶる奥川。右は担当の阿部スカウト

“令和の怪物”に負けるな! ヤクルトからドラフト1位指名された奥川恭伸投手(18=星稜)が25日に金沢市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1600万円で合意した。苦しい投手事情から即戦力級の活躍も期待されるが、地元ではロッテが交渉権を獲得した佐々木朗希投手(18=大船渡)と「もっとライバル関係をあおってくれ」と異例の声が上がっている。

 仮契約を結び、会見に臨んだ奥川は「まだ実感は湧いていない」としつつも「一軍で安定して2桁勝利を挙げられるような投手になりたい」と明確な目標を口にした。

 契約金、年俸はともに球団の高卒ルーキーでは2007年の由規以来となる最高条件。背番号は過去に荒木大輔や由規ら有望投手が背負った「11」に決まり「偉大な先輩方がつけてきた番号。期待されているのはありがたいことですが、同時にそれだけの責任がある。それに恥じないように活躍したい」と表情を引き締めた。

 橿渕スカウトデスクは「一軍ですぐ通用するだけのストレート、変化球、投球術、すべて備わっているが、1年間を通してやれるかはまだ未知数。ケガをしてしまっては元も子もない。即戦力と言いたいところではあるが、我慢して奥川くんが一番いいようにしていきたい」と話し、キャンプでの一軍帯同も現時点では未定。それでもチームは投手事情が苦しいだけに、同世代の中でも早期に一軍デビューしても不思議ではない。そんななか、地元からは「奥川にもっと佐々木くんを意識させてほしい」と異例のお願いが出ている。

 奥川に近いある関係者は「奥川は佐々木くんと出会って、ストレートは絶対にかなわないと挫折したことで成長した。変化球や投球術を磨いて総合力が上がった。奥川の一番の魅力は謙虚さ。順調にいけば一軍デビューは奥川の方が先でしょうが、その都度、佐々木くんを引き合いに出せば、自分はまだまだとモチベーションを保つことにつながる」と語る。

 特定の選手を意識するあまり調子を崩したりオーバーペースになってしまうケースもある。とりわけ、体が出来上がっていない高卒ルーキーにとっては“もろ刃の剣”にもなりかねないが「謙虚な気持ちを持っていればその心配はない。同世代よりもっと上を見ろと言われることもありますが、佐々木くんより素質を持った選手が日本に何人いるか。同い年に生まれたのが運命と割り切って、史上最高の投手と切磋琢磨していけばいい」と2人のライバル関係を歓迎する。

「ピッチャーとして一番評価されるタイトル、それを一つの目標にしてやっていきたい」と将来的な沢村賞獲得も視野に入れた奥川。投手として最高の栄誉を手にするためにも“令和の怪物”はこの先避けては通れない宿命の相手となりそうだ。