広島がサプライズ人事 今季不振の田中広「新選手会長」の狙い

2019年11月26日 16時30分

鯉党はこんなシーンが増えることを望んでいる。田中広(左)と会沢

 コイのサプライズ人事は吉と出るか。広島の選手会納会が25日に広島市内で開かれ、田中広輔内野手(30)が新選手会長に選出された。複数の候補がいたなか、来季右ヒザ手術からの再起を期す背番号2に白羽の矢が立ったワケとは…。

 偉大な前任者からバトンを受けた。壇上に上がった田中広は「あそこまでリーダーシップを取れるか分からないが…」と前会長の会沢に目をやりつつ「僕らしくやっていきたい。チームワークが大事。助け合いながらやっていけるチームをみんなでつくっていけたら」と所信表明した。

 実はチーム内では「次は大地(大瀬良)が適任では」との声が多勢だった。エース右腕は温厚な人柄と責任感の強さからナインの人望が厚い。それでも、あえて田中広を推したのはカリスマ会長としてチームをまとめてきた会沢だった。

 大瀬良を後任としなかったのは捕手らしい気遣いから。会沢に相談を受けた関係者によれば「投手である大地には、これ以上の負担をかけたくない」との理由だったという。となれば、来季の在籍が確実かつ年齢的に適任な主力は田中広しかいない。チーム内からは様々な意見が出たが、最後は会沢がピシャリ。「広輔が変わらないと、このチームは来年優勝できない。僕も支えるから」と押し切ったという。

 6年目の田中広は今季開幕から不振に陥り、97試合で打率1割9分3厘とプロ入り最低の成績に終わった。小園らの台頭もあり、来季は遊撃レギュラーも保証されない苦しい立場だ。苦境でもがく姿を今は後輩たちが見ている。3連覇の功労者の一人だが、当時はベンチの隅に隠れた存在だった田中広。会沢の指名は「暑苦しくみんなを引っ張る姿を見せてくれ」というメッセージだ。

 現在は右ヒザ手術からのリハビリ中だが「会長に就くと決まってから、目の色を変えてヤル気になってくれている」と周囲の評判は上々。復活に燃える背番号2が、赤ヘル軍団を再び頂点に導けるか注目だ。