阪神・原口文仁捕手(27)が24日、西宮市内の球団事務所で会見し、今年1月に手術をした大腸がんについて、詳細な経緯を初めて明かした。

 冒頭で「(プロ野球選手としての)立場を借りて、同じ病気の人たちの力になれるよう、自分の病気の詳細について、皆さまにお伝えしようと思います」と会見の意図を説明した原口は、今年1月8日に人間ドックで検査を受けた際、医師から別室に呼ばれて大腸がんを宣告され、26日には手術を受けた。

 その後、がんのステージが「3b」であることを知らされたといい「早期発見なのかなと思いましたが、ここまで進んでいるとは誰も思っていなかったので僕も驚きでした」。

 退院後の2月6日から抗がん剤を摂取。「野球をやりながらでも、治療ができるように、錠剤の抗がん剤を4週間飲んで2週間休むサイクルを4回。計半年間続けました」。副作用などは幸いなかったそうだが「体調が優れない日もありましたが、首脳陣やトレーナーの方々にも配慮を頂けた。感謝しかありません」と頭を下げた。

 3月7日にチームに合流しトレーニングを再開すると、5月8日には二軍で実戦復帰。6月4日のロッテ戦(ZOZOマリン)で一軍復帰を果たし、いきなり代打で適時打を放つなどの活躍を見せたが、その裏ではがんの治療も続けていた。

「今季は十分に試合に出られなかったが、『悔しい』という思いをできたこと自体がありがたい。主力としてチームを支えられる選手になれれば」と不屈の背番号94は来季への抱負を力強く語った。