【核心直撃】5年連続Bクラスからの浮上を狙うオリックスだが、今オフはFA戦線に参加せず、ドラフトも高校生を中心に8選手もの育成枠を獲得。23年間も優勝から遠ざかっていながら完全に“育成モード”に入っている。フロントは巻き返し策をどう考えているのか。11月に就任したばかりの森川秀樹球団本部長(59)を直撃すると…。

 ――どんなチームづくりをしていくのか

 森川本部長 常時、優勝争いに加われるような安定した強さを発揮できるチームづくりをしていきたい。そのために舞洲に30億円の新施設を造った。そこでトレーニングを積んで一軍で活躍してもらう。これが根本ですね。

 ――とはいえ、育成と勝利の両立は難しいのでは

 森川本部長 それは痛感している。とはいえ、根本は育ってくる若手をベースに強いチームをつくること。屋台骨をまず構築することです。補強ありきではなく、オール生え抜きというところまで育てば言うことないけど、西武も生え抜きが中心に強さを発揮しているし、ソフトバンクも全体の底上げができている。強いチームは育成の環境ができている。

 ――長期的ビジョンの話のようにも聞こえるが

 森川本部長 来年に花咲けばいうことないですけど、かなわない可能性もある。足りない部分を考えながらやっていくということです。

 ――一方で外国人補強は急務だ

 森川本部長 得点力アップは必須の課題。改善の手立てを講じている。日本を経験している、いないにかかわらず、先入観なしに見ていきたい。

 ――23年間、優勝から見放されている

 森川本部長 ご指摘の通り、何とかしなきゃいけない。少なくともV争いしたい。今年も交流戦2位だし、8月下旬までは3位に3ゲーム差ほどだった。山本と山岡もタイトルを取れたし、調子と状況がかみ合えば、上位進出できる底力はある。育成ベースにしているのでファンには若手の成長をご覧いただきながら一歩一歩、上に近づくプロセスを見てほしい。優勝に至らないまでも争いのさなかにありたい。

 ――重圧は感じるか

 森川本部長 いえいえ。考え方は今までの延長ですし、出てきた課題を適宜、福良GMと改善していくということです。

 ――引退したマリナーズ・イチロー氏とは今後も球団と接点はない?

 森川本部長 難しいと思います。イチローさんのライフプランが最大限、尊重されるべき話。球界の至宝だし、折り合える環境が来たら、ということですね。