どんなプロデュースがなされるのか…。巨人からドラフト1位で指名された堀田賢慎投手(18=青森山田)が21日、ジャイアンツ球場などの施設見学に訪れた。プロ入りに実感を深めた一方で、球団サイドが頭を悩ませるのはドラフト同期となる他球団のスター候補生たちに知名度でまるで及ばない点…。伝統球団の未来を担う卵たちの売り出しへ“敏腕社長”の手腕に注目が集まっている。

 巨人の新人8選手(育成2人含む)はこの日、寮やジャイアンツ球場を見学。アマチュアとはまるで異なる充実した設備に感銘を受け、ドラ1の堀田は「トレーニング設備が寮にも二軍グラウンドにも設置されていて、すごく環境が整っているなと思いました」と目を輝かせた。

 希望に満ちあふれる新人たちは年明けから新生活をスタートさせることになるが、球団には経営者なりの悩ましい問題もある。ネームバリューで他球団のルーキーたちに大差をつけられていることだ。

 特に今年のドラフトでは「令和の怪物」こと佐々木(大船渡)や巨人も1位指名した奥川(星稜)らが話題の中心に。高校生の歴代最速163キロの直球に並外れた潜在能力で早くから注目を集めた佐々木はロッテ、今夏の甲子園での活躍で一躍その名を全国にとどろかせた奥川はヤクルトが交渉権を引き当てた。球団関係者も「堀田君たちは将来性もあって楽しみですが、知名度では(佐々木らに)太刀打ちできないのも確かです…」と告白した。

 そんななか、熱視線を集めるのが今年6月に就任した今村球団社長だ。同社長は日本テレビ時代に「家政婦のミタ」や「DASH村」などのヒット作を手掛けた異色の経歴の持ち主。巨人の選手を野球界の枠だけにとらわれることなく、お茶の間へ発信することも重要視し、さっそく坂本勇を低糖質パスタのCMに出演させている。最近も「岡本は本当にいいキャラクターをしている。岡本を『がんばれ!!タブチくん!!』のような漫画にしたらいいと思うんだ。『それいけ!!オカモッちゃん!!』とか」と斬新なアイデアを披露したこともあった。

 もちろん、新人たちの売り出しに力を入れるのもプレーでの活躍が大前提。それを念頭に、別の球団スタッフは「社長がどんな切り口で彼らを“色付け”してプロデュースしてくれるのか。そこはとても興味がありますね」と話した。

 原監督からは「近々未来、ジャイアンツのエースになってくれる素材」と大きな期待を寄せられる堀田。早くも「毎年10勝以上できるような投手になりたい」と闘志をみなぎらせる右腕は、どんなキャラクターで世に送り出されるのか――。