中日を退団し去就が注目されている松坂大輔投手(39)の、14年ぶりとなる古巣・西武復帰が12月中旬にも正式発表される。

 21日、西武・辻発彦監督(61)が都内にある西武ホールディングス本社を訪問。後藤高志オーナー(70)に、リーグ連覇を果たしながら宿敵・ソフトバンクの前に2年連続CSファイナルステージで敗退した就任3年目の今季シーズン終了報告を行った。

 終了後、辻監督はすでに渡辺久信GM(54)が水面下で接触し、古巣復帰への内諾を得ている松坂について「もしそう(入団)なったら彼は選手ですし、彼の野球人生。本人も、もう最後と思ってやるんでしょう。経験も豊富にしていると思いますし、逆に手本になってくれと言うつもりもない。自分のことをしっかり、若手に負けないように、さらに野球を頑張らないといけない。そういう姿が自然とそう(手本に)なってくれるんじゃないかと思う」とチームに与える有形無形の影響を期待した。

 松坂は2014年オフのソフトバンク移籍時、17年オフの中日移籍時の2度にわたって、西武からは正式オファーが届かなかったことで、本紙に「もうライオンズが僕に声をかけることはないと思いますよ。個人的には(西武復帰は)ないと思って生きていきます」と胸の内を明かしていた。それだけに、渡辺GMだけがひそかに温めていた今回のオファーは本人にとっては青天のへきれき。獲得の意図に関しても「戦力として必要だと思ったら。(理由がコーチ兼務など)他のことだけだったら逆に松坂に失礼」と語っていた渡辺GMの誠意に過去のわだかまりも氷解したようだ。

 現在、松坂は自宅のある米国・ボストンに滞在しており限られた家族との時間を過ごしながら、プロ22年目のシーズンとなる来季に向けトレーニングを継続している。懸念される右肩の状態も上がっているようで現在、代理人との間で詰めの作業を行っている契約の合意を待ち、12月中旬にも西武側から正式発表が行われる見通しだ。