手応えアリ! というわけか。前パドレス・牧田和久投手(35)の獲得を目指す阪神・矢野燿大監督(50)が交渉で自ら“直接出馬”する意向を表明した。

 秋季キャンプ打ち上げから一夜明けた20日、本格的な補強シーズンに突入した指揮官は牧田について「ウチに来てもらえばいいことしかない。先発、中継ぎ、抑えと経験があるし、どこでもハメられる投手。投げ方で言えば(サイドハンドの)青柳とかも参考にもなる。チームにとっては大きなプラス。絶対に必要な選手です」など初めてラブコールを展開。谷本球団本部長が「時間が合えば(牧田本人と)会いたい」と対面交渉を模索していることにも「オレも(牧田が)悩んでいるとかしていたら聞きたいこともあるし、喜んで行かしてもらう」と自ら交渉役に名乗り出た。古巣の西武も牧田獲得に興味を示しているだけになおさらなのだろう。

 牧田は西武時代に先発、中継ぎ、抑えの3部門で活躍し、7年間で53勝49敗25セーブを挙げた名サブマリン。2017年オフにポスティングシステムを利用して海外に挑戦したが振るわず、今季はメジャー登板がないままパドレスを自由契約となった。年齢的に考えても“落ち目”感はありありだが、阪神では西武時代の牧田に一時獲得を検討した経緯や、前回15年のプレミア大会で当時、矢野監督がバッテリーコーチを務めていた縁もあることから獲得を推し進めてきたという。

 実際の感触はどうなのか。チーム内からは「手応えはあるから、監督が(交渉に)出て行くんじゃないか。普通に考えて西武よりいい条件は出ていると思う。メジャーで結果を出せなかった本人も今さら西武に助けてもらおうとはならない」(球団関係者)など楽観視されている。

 他にも理由はある。牧田については同じ西武OBの楽天・石井GMが今春キャンプの時期から水面下で獲得作戦を展開。一時は合意までこぎつけたが、本人が「2年契約を全うしたい」との心変わりで結局、破談。今でも両者の関係はこじれたままとの球界情報に「それはかなりの追い風になっている」(別の球団関係者)と気を良くしているのだ。

 果たして「虎のサブマリン」が誕生するのか、注目だ。