菅野の胸中は!? 山口俊で巨人のポスティングが“開国”

2019年11月19日 16時30分

原監督(左)にも背中を押された山口は晴れてメジャー挑戦を目指す

 その余波が気になるところだ。巨人・山口俊投手(32)が18日、東京都内で記者会見し、今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦すると表明した。2016年のFA交渉時に容認していたという事情はあるにせよ、これまで同制度を断固認めていなかった巨人にとっては球団史に残る「開国」。かねてメジャー志向を公言する菅野智之投手(30)の周辺も騒がしくなるのは間違いない。

「一番はワクワク感、そしてドキドキ感が湧いてきます」。そう話す一方で、山口は球団初となるポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦に「生半可な気持ちではいけない。しっかりと米国で結果を残すことが、僕なりの読売ジャイアンツに対する恩返しになる。原監督、コーチの方々、チームメート、そしてファンの方々に感謝申し上げます」などと球団への感謝を何度も口にした。

 ただ、会見に同席した原監督と今村球団社長には、じぐじたる思いがあったに違いない。今村社長は今回の経緯についてこう説明した。

「2016年、山口投手とFA交渉する中、メジャーリーグに挑戦してみたい、その目標の下、ジャイアンツで一生懸命頑張りたい強い思いを伝えられ、FA移籍にあたって時期を確定しない形でポスティングができる権利を認めました」

 4年ぶりに指揮を執った原監督にとっては寝耳に水だったようで「シーズン途中にですね、契約上こういうふうなのがあるということを私も知りまして」。山口とは夏ごろから話し合いを重ねて慰留に努めたが、プレミア12の台湾遠征前にメジャー挑戦への決意を伝えられたという。

 海外FA以外は一切受け付けなかった巨人の伝統を大きく動かす山口のメジャー挑戦。今回は複雑な事情があったとはいえ、ポスティングシステムでの移籍容認という事実に変わりはない。今後の球団方針について、今村社長は「それぞれ選手たちが希望を持つことは大事だし、それを我々が応援できることは応援していくというスタンス」としながらも「個々に丁寧に話し合いをしながら真摯な対応をするとしか答えようがない」と語るにとどめた。

 原監督も多くを語ることはなかったが、やはり気になるのは3年以上前からメジャーへの思いを公言してきたエース菅野の今後だ。順調にいけば21年中にも海外FA権を取得予定で、チーム内では「もう来オフのポスティングを認めるしかないでしょう」の声が圧倒的だ。

「山口のみならず、FAで入ってくる外様に(条件等で)甘すぎないかという声は、当時からチーム内にあった」と明かすチームスタッフの一人はエースの胸中をこう代弁する。「本人は口に出さないけど、何らかの違和感はあったと思います。山口の条件面を知る一方で、自身は3~4年前からメジャーへの思いを伝えては受け流されているわけですから。こうなった以上、『当時のフロントが結んだ契約だから話は別』では済まされないでしょ
う」

 秋季練習中、原監督はポスティングシステムについて「時代の流れの中で、それをかたくなにダメだというのではなく、選手にもあれだけ頑張ったから希望が通ったんだという特例は、僕はあってもいいと思う」と個人的な見解を語った。しかし、会見で改めて問われると、全権監督の立場もあってか「まだ考えがまとまっていません。そのことはちょっと難しいですね」とトーンダウンした。いずれにせよ、議論を呼ぶことは必至で、今回の“条件付き開国”が、エースの今後にどう影響を及ぼすか注目だ。