中年の星 巨人36歳・大竹のV字復活ストーリー

2019年11月11日 16時30分

プレミア12に出場中の大竹

 国際大会「プレミア12」にNPB最多の7選手を送り込む巨人で思わぬ議論が噴出した。36歳で追加招集されたプロ18年目の大竹寛投手だ。クビ寸前から這い上がり、辞退者が相次いだことで日の丸のユニホームに袖を通したのだが「シンデレラストーリー」とも「抜てき」とも言いがたい選出が波紋を呼んでいる。

 宮崎での秋季キャンプ第1クールは10日に終了。首脳陣は5日間の厳しい練習で蓄積した選手たちの疲労を考慮し、休養日前日となったこの日は個別練習が“禁止”に。原監督は「体のこともしっかり考えるというところでしょうね」と説明し、メニュー表の最後には異例の「強制終了(リカバリーに努めてください)」との指示まで記され、ナインは通常よりも大幅に早い午後3時過ぎに宿舎へ引き揚げた。

 そのキャンプ地・宮崎で“ホットな男”はベテラン右腕だ。大竹はリリーフとして期待された松井、森原(ともに楽天)が出場辞退を申し入れたことでまさかの代表入りとなった。早期に終戦したチームと違い、日本シリーズに進出した巨人は選手たちの状態が落ちていなかったことも理由の一つ。

 G投からは「本当にまさかですよ。一番驚いたのは寛さん(大竹)じゃないですか? もうクールダウンしようとしていた矢先だったそうなので。僕らも意外すぎて思わず笑ってしまったのですが、夢がありますよね」と興奮気味だ。

 大竹は2013年オフに広島から巨人にFA移籍。3年契約を満了して以降は年俸(推定)も1億円から7000万円→5250万円→2625万円と年々右肩下がりとなっていた。昨オフの契約更改では本人も「正直、クビを覚悟していた」と本音を明かしたように、まさに崖っ縁だった。それが今季は6月から一軍に昇格すると32登板で4勝0敗、8ホールド、防御率2・77の好成績を残し、ついには日本代表の一員に。ドン底からの復活劇に、Gナインの間ではおおむね“中年の星”として受け止められている。

 一方で「日本代表が36歳に頼らざるを得ないこと自体が、いかがなものか」との厳しい指摘もあるが、大竹は1次ラウンド2試合に登板し、計1イニングを無失点。ここまで自身の役割を全うしている。

 原監督は辞退者が続出したことに対して「もちろん致し方ない」と前置きした上で「我が軍は全面的に協力する。侍ジャパンをNPB全体で力を合わせてつくる。これは選手に言いたい。ちょっと問題点を残しているという感じもある」と持論を述べていた。

 11日からはスーパーラウンドがスタート。宮崎で汗を流すGナインは、侍ジャパンの今後とともに大竹の活躍にも熱い視線を送っている。