レジェンドの金言に感謝感激だ。阪神の高知・安芸での秋季キャンプで臨時コーチを務める山本昌氏(54)が1日、球場での指導を開始した。練習開始直後から“マサ道場”は開講となり、藤浪晋太郎投手(25)を身ぶり手ぶりを交えて熱血指導。ブルペンでも全投手に助言を送り、午後からの個別練習にも付き合うなど初日からエンジン全開となった。

 自ら質問を山本昌氏にぶつけた藤浪は「チェンジアップのリリースの仕方が直球につながるという話をしてもらった。自分の発想になかったので面白かった」と満足げ。招聘した矢野監督も「選手も聞いていて感じるものがあったと思う。俺も勉強させてもらった」と手応えを口にした。

 朝から日が暮れるまで精力的に動き回った山本昌氏は「選手からたくさん質問をもらってすごくいい初日だった。合う合わないはあるので、その中で心に留めておいてもらえればいい。聞かれたことにはどんどん答えていきたい」と振り返った。チーム関係者によれば、前夜のうちに山本昌氏からコーチ陣に「こういう立場で来ているので、キャンプにいる間は存分に俺のことを使ってください」と歩み寄りを見せていたという。大きな体とは対照的な低姿勢でコーチ陣のハートまでもわしづかみにした。

 この日は投手陣ばかりでなく、送球の改善に取り組む大山や守備向上を目指す近本ら野手陣も助言を受けた。スローイングに関する指導を依頼した久慈内野守備走塁コーチは「(期間中は)『もうやめてくれ』というくらい、いろいろとお願いするよ」と冗談交りにフル活用を予告。多忙な山本昌氏のスケジュールに合わせ、キャンプの休日を急きょ大幅に変更するなど球団側も最大限の配慮をするほど“マサ効果”への期待は高い。