巨人・坂本勇がゴールデン・グラブ賞を受賞 好守が山口に好影響

2019年11月01日 16時30分

日本代表でもショートを守る坂本勇。右は菊池

 プロ野球の守備のベストナインを選ぶゴールデン・グラブ賞が31日、発表された。セ・リーグ遊撃手部門で2年ぶり3度目の受賞となったのは巨人・坂本勇人内野手(30)。守備範囲の広さや的確なスローイングなど、卓越した守備力は相手チームにとって脅威となる一方、自軍の投手陣に与えた安心感も計り知れない。その“効果”が最も表れたのが今季、巨投の大黒柱として活躍した山口だというのだが――。

 中日・京田の110票を大きく上回る167票を獲得し遊撃手のゴールデン・グラブ賞に輝いた坂本勇は、球団を通じ「僕の中で、一つの目標としていた賞なので大変うれしいです。リーグ優勝できたシーズンに、この賞を獲得することができ、すごく誇りに思います。来年は、チームが日本一になって、この賞を受賞したいです」とコメントした。

「守備にあまり自信がない」と苦笑していた、かつての“失策王”がうそのようだ。プロ2年目の2008年から4年連続でリーグ最多の失策数を記録。そんな汚名を返上すべく、12年の自主トレを当時現役だった名手、ヤクルト・宮本とともに過ごし、守備の極意を請うた。プロ6年目にして「キャッチボールが大事だと改めて実感させられた」と語ったこともあったが、今や昔の話だ。

 華麗なグラブさばき、体勢を崩しながらも一塁に送球できる体のしなやかさは球界屈指。日本を代表するショートストップとなった今では、投手陣全体に「あの辺に打たれても坂本勇が何とかしてくれる」という安心感を与えるまでになり、その投球内容にも変化をもたらした。なかでも他球団からその変貌ぶりを指摘されたのが、今季15勝(4敗)を挙げ、巨投の大黒柱として活躍した山口だった。

 16年オフにFAでDeNAを去ったとき、最も懸念されていたのが山口のメンタル面。気持ちの弱さから自滅するケースが少なくなかったこともあり、古巣の主力野手からは「なんとか粘ってフルカウントまで持っていけば勝手に四球出してくれるので」の声もあった。

 そんな声も今や皆無。今季、古巣・DeNA戦には4試合に登板して2勝(1敗)、防御率は中日戦(2・33)に次ぐ2・73をマークした。もちろん、山口の技術の進歩もあるだろうが、この原動力をある球団首脳は「メンタルが強くなったというよりは、守備がしっかりしているからでしょ。特に坂本勇。あの存在感が山口を精神的に楽にさせている」と分析していた。

 攻撃だけでなく守備でも見せる存在感。原監督が「ぶっちぎりのMVP」と評したのは、自身の攻守にわたる活躍だけでなく、ナインのパフォーマンスを向上させるほどの影響力の強さにもあったのかもしれない。