西武や巨人などでプレーした清原和博氏(52)が30日、東京都内で開かれた「WorldTryout2019」の開催発表会に出席。覚醒剤取締法違反で2016年2月に逮捕されて以来初めてとなる野球の現場復帰に時折、笑顔も見せながら意欲を燃やした。

 トライアウトを運営するWorldTryout社によると、清原氏は来月30日に神宮球場で開かれる公開トライアウト(予選会は11月7日にサーティーフォー保土ケ谷球場で開催)で打順や投手交代などを指揮する「監督」を務める。W社は「挫折しても勇気を持って再チャレンジするイメージ」などから白羽の矢を立てたという。

 今回のオファーについて「正直、驚きました」と素直な心境を明かした清原氏。「本当に感謝の気持ちしかない。自分は事件を犯して野球から遠ざかってきたんですけど、こういう形で大役をお任せいただいて、本当に身が引き締まる思い。また神宮球場のグラウンドの中に入ることさえ許されないと思っていた。選手たちも必死でグラウンドに立つと思うんですけど、僕も必死に立ちたい」と語った。

 衝撃の事件から3年が過ぎたが、いまだ執行猶予の身。「自分が逮捕された時は野球をしたことさえも後悔しました」と話したが、最近は少年野球教室などでの現場復帰へ向け、再びバットを握り始めた矢先だったという。「約3年半、治療を含めて生活してまいりまして、やっぱり自分には野球しかないんだなと再認識した」と赤裸々な思いも明かした。

 今回、W社が開催するトライアウトは日米から約40人が参加予定。NPBが開く12球団トライアウトとは別で、NPB球団の戦力外選手以外のアマ選手、米マイナーリーガーらも対象。すでに元ヤクルトのルーキ、カラシティらの参加が内定しているという。監督の清原氏が担うのは予選会選考や本選の優秀選手の選出。「全員に平等にチャンスを与えないといけない。自分の長所を思い切り出してくれれば。結果も全てですが、悔いのないプレーをしてもらいたい」と参加選手へメッセージを送った。

 最後は自らマイクを握り「今日は甲子園よりも日本シリーズの打席よりも緊張しておりました。皆さん、ありがとうございます。また頑張りますので、よろしくお願いします」と頭を下げてあいさつ。白い歯をのぞかせて会見を締めくくった。