ロッテからドラフト1位指名された佐々木朗希投手(17=大船渡)が29日、大船渡市内の学校で球団から指名あいさつを受けた。

 午後2時、正門で井口監督を出迎えた佐々木は、指揮官とガッチリと握手。約30分の面談を終えると「すごくとても緊張しました。井口監督はオーラがあってとてもカッコよかったです。チームの一員となってリーグ優勝に貢献してほしいと言われた。ロッテは最近若い選手が活躍していて、自分もその流れに乗っていけたらと思う」と感想を語った。

 井口監督も「内に秘めた思いの強い子。彼の中でも日本最速を狙っている。1年目から期待はしているが、まずは日本一のピッチャーになるための体づくりをして、そしてその先の世界に向かって羽ばたいていってほしい」と話すなど、短いながらもお互いに有意義な時間を過ごした。

 通常、1位指名選手へのあいさつは早ければドラフト会議当日か、遅くとも翌日までに行われることが一般的。会議から10日以上も後に行われることは極めて異例だ。創立70周年行事など、大船渡側の学校行事が重なったことが主な理由だが、ドラフト当日の佐々木の硬い表情と相まって、一部では交渉が難航しているのではと不安の声もあった。

 それでもこの日、ドラフトとは打って変わり笑顔で取材に応じるなど、入団の意思は固まった。「体力面だったり、そういうところは大きく足りない。少しでも体を強くして、目の前の目標からしっかり達成していずれはその夢(日本最速)も達成できるよう頑張りたい」と誓った“令和の怪物”。千葉からプロ野球の歴史に新たなページを刻む。