左足首手術からの復帰を目指す阪神・糸井嘉男外野手(38)が27日、鳴尾浜球場で術後初めて取材に対応し、自身の現状と来季へ向けた意気込みを語った。

「ようやく松葉づえも取れて荷重できるようになった。歩行はまだ曲げたらいけない角度はあるけど、前進してます」。経過は良好とのことで「2か月後にはダッシュもできるようになる。治りは早い」と来春キャンプからの本格復帰を照準に着々と段階を踏めていることを強調した。

 リハビリの一環として、自身が以前から支援していた「ウィルチェア(車いす)ソフトボール」の練習にも参加していると明かした虎の超人は「アイルビーバック!」と映画「ターミネーター」のモノマネまで報道陣に披露。変わらぬ健在ぶりをアピールした。

 だが、本紙評論家・遠山奨志氏の糸井に対する評価は手厳しい。「矢野監督にとっても来季は進退をかけ優勝を狙わねばならない勝負の年。そのためには生え抜きの若手が中心になって、今度こそチームを引っ張らなければ」と語ると「だからこそ、来季39歳になる糸井に多くを求めているようではダメ。理想を言えば糸井には3割15発程度の数字を期待したいが、天然芝の甲子園では外野守備も難しい。良くても出場数は100試合程度になるのではないか。糸井よりも、地に足のついた成長を今季見せてくれた高山の活躍に期待したい」と“脱糸井”のチームづくりの必要性を訴えた。

 同学年のメッセンジャーと鳥谷は今季限りでタテジマのユニホームを脱ぐことに。4年契約最終年となる来季は糸井にとっても背水のシーズンとなるが、逆風をはねのけ、自身の真価と実力を証明することはできるか。