今季限りでの巨人退団を表明していたスコット・マシソン投手(35)が25日、東京・大手町の球団事務所で会見した。カナダ代表としての東京五輪出場を最終目標とし、現役生活にピリオドを打つ。剛腕は自らの決断で退団するが、他の助っ人たちは一斉に整理される見込み。大量9人を抱えて首脳陣を悩ませた外国人枠問題は、一気のスリム化で解消されそうだ。

 G最強助っ人がチームを去る。在籍8年は外国人投手として球団史上最長。昨年の左ヒザ手術、難病のエーリキア症の罹患で今季は出遅れたが、これまでの功績は群を抜いている。70登板した2016年まで4年連続で60試合以上登板。まさにブルペンの屋台骨を支え続け、巨人通算421試合で174ホールド、防御率2・46と抜群の安定感を誇った。

 会見であふれ出たのは戦友たちとコーチ陣、トレーナーやファンに対する感謝の言葉。なかでも大きな存在だったのは今季限りで引退した元正捕手の阿部で「(来日1年目に)よく空中に『8』の字を書いて『80%ぐらいの力で投げるのが一番いいんだよ』とアドバイスをくれた。彼が捕手で受けてくれなければ、自分の成功はなかった」と最敬礼だった。

 会見の最後には、その阿部がサプライズ登場し「ずっと切磋琢磨して優勝も何回も経験した仲間が去るのは寂しいですけど、またいずれジャイアンツに戻ってきて携わってほしいな。これからファミリータイムとリフレッシュとハンティングをいっぱいしてくれ!」と、らしいエールと笑顔で送り出された。

 マシソンの退団もあり、来季の助っ人勢の陣容は大きく様変わりする。すでにアダメスとマルティネスが戦力外となり、球団はビヤヌエバとクック、ヤングマンの3選手と来季の契約を結ばない方針だ。今季の助っ人は9人の大所帯。4人の外国人枠のなかで野手との兼ね合いもあり、先発ローテ投手をいわゆる“投げ抹消”させるなど首脳陣はやりくりに頭を悩ませた。

 ただ、現状で来季残留が確実なのはメルセデスとデラロサの2人だけ。ゲレーロは流動的で動向を注視している中日・ロドリゲスが加わったとしても4人しかいない。もちろん、さらなる新助っ人の獲得に乗り出す可能性もあるが、原監督は前日24日のオーナー報告後に「人数は今年もいるはいる。キチッとした人がいるか、いないかというところ」とピシャリとやっていた。

 いずれにせよ、頭数だけあっても戦力として機能しなければ意味がない。助っ人であふれ返った今季に比べれば、来季は“少数精鋭部隊”となりそうだ。