【日本シリーズ】ソフトバンク・松田宣が独占手記 「100点満点の熱男ができました」

2019年10月24日 16時30分

祝勝会ではしゃぐ松田宣。右は和田

 ソフトバンクの3年連続日本一に、熱く貢献したのはレギュラーシーズン唯一の全試合出場、今シリーズ第2戦で決勝の3ランを放った松田宣浩内野手(36)だ。今回の大舞台に並々ならぬ思いで臨んでいた元気印。熱い独占手記を公開する。

 シーズンは2位という結果に終わりましたが、チーム一丸で日本一3連覇を達成できました。僕としても6度目の日本一が6回とも違う相手に勝っての「全球団コンプリート」となりました。これって確率とかを考えてもすごいことだと思うんですよ。ホークスでプレーしていること、そして巡り合わせに感謝ですね。

 去年の悔しさを取り返す日本シリーズにしたいと思っていました。今だから正直に言えば、去年の日本一は悔しい気持ちが99%で、うれしい気持ちが1%でした。広島とのマツダスタジアムでの第6戦。サードゴロで日本一が決まりましたが、僕は試合に出ていませんでした。過去を振り返ってみても初めての経験でした。

 短期決戦の場合は少しでも結果が出ていなければ外される。今回のポストシーズンはそれを理解して臨みました。今年も楽天とのCSファーストステージで途中からスタメンを外れましたけど、その悔しさは西武とのファイナルステージにぶつけられました。初戦でいきなり5番に起用してもらってニール投手から先制の2点適時二塁打を打てた。日本シリーズ第2戦の決勝3ランも最高にうれしかったですね。あの場面はめちゃくちゃ緊張しましたけど。ヤフオクドームで100点満点の「熱男」ができました。

 今回は王球団会長が楽しみにしていたホークス対ジャイアンツの日本シリーズ。そこで輝けたこともうれしかったです。僕にとって入団した時の監督でホークスに呼んでくださった方(※当時の希望枠)でもあります。なかなか最初は結果も出なかったけど、1年目から開幕スタメンに抜てきしてもらった。1本でも多く王会長に本塁打を見てもらいたい。その思いは今でも強く持っています。

 1年目に教えてもらって、そこから大切にしている言葉もあります。「プロ野球選手は146試合(※当時)がきついかもしれないけど、ファンの人の中には1試合しか球場に足を運べない人がたくさんいるんだ。絶対に手を抜かないように」

 去年のCSファイナルステージで主力になってから初めてスタメンから外れる経験をした時も、呼ばれて「外されて一回ベンチから見るのも勉強だから」と声をかけてもらいました。そして「現状、速い球を打てていない」とも指摘してもらいました。

 王会長は速い球をはじけているか、はじけていないかを見られている。今回の日本シリーズの第2戦で打てた本塁打はツーシームでしたが、真っすぐ系を打てた。王会長の「あの本塁打はすごかった。見事だった」というコメントも見て、すごくうれしかったです。

 今回、光栄なことにプレミア12に選んでもらいました。背番号は7にしました。理由はラッキーセブン。36歳でこんなこと言ってたらおかしいかもしれませんが、プレミアで日本のラッキーマン、ラッキーボーイになりたい。難しいとも思うけど、プレミアにも選ばれた以上は、来年の東京五輪でも最後の最後までメンバー選考で悩んでもらうくらいの立ち位置でいたい。

 ここ数年、世代交代という言葉も聞こえてきます。確かに年数を重ねている事実もあります。チームとして若い選手に出てきてほしいという思いもあります。ただ、プロはアマチュアとは違う。

 中学や高校の時と違って、年齢が上の選手が1年ごとに卒業していくわけではない。「はい、どうぞ」とは譲りたくはない。そういう競争原理がホークスの強さの秘訣だとも思うので。

 僕は自分ではスーパー遅咲きの選手だと思っています。20代中盤、後半のころより、今のほうが力は上がってきていると思うんです。体力こそ少し落ちているかもしれないけど、それ以上に経験を積んできている。体に痛いところはないですしね。今年も本塁打を30本打てたので、来年も行ったれ!と思いますし、5年連続の全試合出場の次は6年連続行ったれ! 日本一も2回り目に行ったれ!と思う。

 最後に妻への感謝も書きます。去年の日本シリーズが終わったとき、複雑な思いがあった僕に「堂々と胸を張って帰っておいで!」と声をかけてくれました。ありがたかったですね。あれから1年。うれしさいっぱいの日本一になれました。(福岡ソフトバンクホークス内野手)