もう“特別扱い”はしない。今季リーグ3位に終わった阪神・矢野燿大監督(50)が23日、開幕からシーズンの大半で4番に起用した大山悠輔内野手(24)に言及。「今年に関しては経験を積ませるというのがあったけど、来年はそういうわけにはいかない。奪い取ればいい」と来季4番の確約はないと宣言した。

 3年目の大山はプロ初の全試合出場を果たし、打率2割5分8厘、自己最多の14本塁打、76打点と健闘したが、ここぞという時の勝負弱さや両リーグワーストの20失策と課題も残した。指揮官は「今のままでいいとは、悠輔も俺らも思っていない。この秋は思い切ったことに挑戦できると思うから、守りも含めてまだまだやらないとアカン。目指すところはもっと上だから」と手厳しく、新任の井上打撃コーチもこの日の練習中に「ずっと4番を守れなかったことに悔しさを持たないといけない」など大山にゲキを飛ばしたという。

 大山にも言い分はあるだろうが、チーム内はこの「4番確約なし」の方針を“歓迎”している。ある首脳陣は「結果で言うと他の選手と同じように競争させた方が本人のためになったかもしれない。選手の多くが(大山が)特別扱いされていると感じていた。練習でもウエートトレとか、金本監督時代と比べるとやらなくなったというのがある。そのツケが守備での失策にもつながっていることを皆が知っているんですよ。下半身に粘りがないからあと一歩が踏み込めず結果、送球を含めてミスを繰り返す…。本人に危機感や主体性を持たせるためにも来年は競争させる方針でいいと思う」と同調した。

 大山は常々「打順が何番でも任されたところで自分ができることをやるだけです」と殊勝に話している。目の色を変えて奮起するしかない。