【日本シリーズ】巨人は山口じゃなくメルセデスの手もあった

2019年10月20日 16時30分

6回に犠飛で3点目を奪われた山口はガックリ

【新IDアナライザー・伊勢孝夫】千賀の状態は西武とのCSファイナル第3戦のときと比べたら良くなかった。変化球をうまくコントロールできていなかったし、2回に阿部にいかれたのも不用意だった。時々、失投というポカがあるんだ。阿部は初球から来るタイプで、有利なカウントからどんどん振ってくることを考えれば無防備だった。

 バッテリーは相手打線では坂本勇を警戒していたと思う。1打席目から内角を徹底していたし、その後の打席でも効いていた。巨人打線から見れば、いつあのフォークが来るか分からないというのがある。追い込まれたら来るかもしれない。かといって、早いカウントで勝負しようとすると来るかもしれない。意識過剰になってしまうと厄介だ。その辺のレベルになると若い岡本あたりでは、まだ対応できないのではないか。

 山口も慎重に投げていたし、柳田にはフォークを多投して研究していた。今年は15勝で菅野よりも活躍したし、この日も千賀よりも丹念に投げている印象だった。しかし、1、2点の攻防になると、リリーフ陣を考えると巨人のほうにプレッシャーがかかってくる。百戦錬磨の打線も3巡目くらいからは対応できてくるし、相手を見る目もある。

 千賀、山口はシリーズで、もう1回投げられる。初戦を勝てれば、その投手で2勝できるかもしれない。シリーズの行方を占う第1戦。特に山口は好投していただけに、巨人としては絶対に落とせなかった。山口は千賀との対決を避け、メルセデスを行かせて第2戦に必勝を期す考え方もあったはずだ。連敗で東京ドームに帰るのと、1勝1敗で帰るのとでは大違い。巨人にとっては痛すぎる敗戦だった。

(本紙評論家)