心配なのはクジ運ばかりでもないようだ。阪神は16日、東京都内でドラフト会議に向けた最後のスカウト会議を行い、矢野監督も出席した。昨年ドラフトでクジ引き2連敗を喫した指揮官は「赤いパンツを履いていく。スーツケースに入れてきたんだ。(頭の中で)矢野ガッツしているよ」。口も滑らかだったが、今ドラフトを巡っては外野から“いわれなき批判”にさらされている。
阪神は長年にわたって先発ローテーションを担ってきたメッセンジャーの引退などのチーム事情から星稜・奥川や大船渡・佐々木ら高校生投手を1位指名候補に挙げてきた。しかし、6年前に4球団競合の末に鳴り物入りで入団した藤浪晋太郎投手(25)が今季0勝に終わるなど伸び悩んでいる状況から、ネット上では「高卒投手は育てられないから指名しないで」「阪神に行ったら潰される」などの声が上がっている。
そんななか、球団関係者は「確かに藤浪はここ数年結果を出せていない。それはうちが抱える大きな課題。しかし、もともと若い投手の育成が下手なわけではない。高卒ではないが、今年も青柳や高橋遥など若い投手はしっかり出てきている」と猛反論する。藤浪の不振で育成力が批判の的となりがちだが、今季守護神として復活した藤川や、かつてのエース左腕・井川など高卒投手をメジャーに送り出した実績もある。育成下手はあくまで“風評被害”というわけだが果たして…。