阪神は13日、巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦(東京ドーム)に1―4で敗れ、対戦成績1勝4敗(巨人の優勝アドバンテージを含む)で日本シリーズ進出を逃した。

 それでも、就任1年目をAクラスで終えた矢野燿大監督(50)は「選手は諦めない気持ちを持ってやってくれた。こういう試合を続けることでチームとして成長できた部分は大きい」と手応えを口にし、谷本球団本部長も「よくやってくれた。チームとして成長できたのはよかったと思います」とその手腕を評価した。

 ただし、矢野体制の2年目に向けて球団側は大幅な刷新も視野に首脳陣のてこ入れに着手。打撃部門では矢野監督の中日時代の人脈を駆使し、すでに打撃コーチとしてOBの井上一樹氏(48)の就任が決定。さらに新井良太二軍打撃コーチ(36)の一軍昇格も決まった。その一方で「去年の金本さんの電撃解任の負のイメージがあるのか難しいところもある。一年で解任となれば経歴にも傷がつくから…」(チーム関係者)と、コーチの外部招聘では“苦戦”を強いられる場面も…。

 中日で一時代を築いたエース投手やかつての中継ぎエースなどにも声をかけたが、色よい返事がもらえず難局を迎えることもあった。ただ、秋季キャンプの臨時コーチとして200勝投手である山本昌氏(54=野球評論家)の招聘が決定するなど、組閣作業も最終局面を迎えている。

 1年目の戦いを終えた矢野阪神だが、来季に向けてどんな体制になるのか注目だ。