阪神・大山 「元4番」の意地を見せた

2019年10月12日 16時30分

決勝ソロを放った大山

 阪神が11日のCSファイナルステージ第3戦(東京ドーム)に7―6で競り勝ち、対戦成績を1勝3敗(アドバンテージ含む)と、どうにか踏みとどまった。6―6の9回に起死回生の決勝本塁打を放ったのは“悩める元4番”大山悠輔内野手(24)。チームの窮地を救ったひと振りは、自身にとっても汚名返上の一発となった。

「負けたら終わり…というところまできてるので、ここからが本当のタイガースの強さだと思って試合に臨みました。自分自身流れに乗り切れてなかったから、自分のスイングをしようと…。結果的にホームランになって良かった」

 殊勝だった大山だが、無理もない。DeNAとのファーストステージを含めてCS全5戦で打点はゼロ。前日10日の第2戦はスタメン落ちし、出番さえなかった。この日も前3打席は好機に三振…と状況は最悪だったが、最後に「元4番」の意地を見せた。

 プロ3年目となる今季は矢野燿大監督(50)が将来性を見込んで開幕から4番で起用。しかし、106試合目でついに6番に降格…。以後、下位での起用やスタメン落ちもしばしばで、バツの悪い日々が続いた。

 日増しに強まるOBら周囲の「怖さがない」「物足りない」との批判…。身内であるチーム内からも「今年に入って大山は練習をしなくなった。金本前監督の時は若手で一番といっていいくらいウエートトレを課していたのに、やらなくなったのは何でなのか。監督が代わった今年こそやらないといけないのに」(首脳陣)と冷ややかな声が噴出。それだけに、どこかでやり返す必要に迫られていた。さらに今オフは恩師の一人である掛布雅之オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザー(64)が退団する。球団関係者は「掛布さんまでいなくなると本当に正念場となる。(矢野監督で)期待値込みで使ってもらえる時期は終わり。結果を出さないといけない」と待ったなしの事態に追い込まれていた。

 試合後、矢野監督は「(白星が)1個でいいとは思ってない。4つ頑張ります」と逆襲を宣言。しかし、殊勲の大山には「確かに悠輔がヒーローなんだろうけど、今日の試合は一人では勝てない。何かきっかけにしてほしい1本になれば…」とさらなる奮起を促した。まだまだ…という思いが強いからだろうが、そこは大山も百も承知。名誉回復は自らのバットで決める。