【セCS】前田幸長氏が評価 負けても層の厚さ見せつけた巨人

2019年10月12日 16時30分

【前田幸長 直球勝負】阪神が一矢を報いたが、これで流れが変わるとは思えない。阪神にしてみれば不振の大山が決勝アーチを放ち、守護神の藤川が2イニングを締めるという最高の形で勝ったが、これで巨人に嫌な印象を与えたかというとどうだろうか。逆に途中出場した陽岱鋼の特大本塁打や4番・岡本の同点2ランの印象が強烈で、負け試合でも巨人の底力と選手層の厚さを見せつけられた気がする。

 そもそも巨人の先発は一軍登板2試合のみの高卒ルーキー・戸郷。「勝てればラッキー」という考えだったのではないか。そんな中でぶざまな試合ではなく、接戦に持ち込めた。この1敗は原監督にとって許容範囲だろう。

 その戸郷は3回1失点。立ち上がりから150キロの真っすぐで押す投げっぷりが良く、初回、2回は変化球でストライクも取れていた。ランナーが出ると力みで体が開き失点したが、なにせ19歳。原監督もひと回りまでと思っていただろうし、先発の役目は十分果たした。ただ、相手が西武やソフトバンクだとそう簡単にはいかない。いや、原監督のことだけに今回のように短いイニング限定で再び戸郷を先発させて、周りをあっと言わせるかもしれない。

 戸郷の先発はエース菅野が腰痛で登板を回避したため回ってきたもの。巨人が7年ぶりの日本一を果たすには菅野の復調が鍵となるのは言うまでもない。彼の場合は本当に体調次第。コンディションが良ければ素晴らしい投球をするが、不安があれば何回もやられる。それに彼は体調を万全にするのに人より時間がちょっと多くかかるという情報も僕のところに入ってきている。だから今回の登板回避は日本一を見据え、あえて大事をとったものでそれほど深刻ではないと思う。巨人が勝ち上がれば日本シリーズは第3戦(22日=東京ドーム)あたりに登板すると読んでいる。(本紙評論家)