【セCS】原監督ピリピリ!誰よりも知っている眠れる虎・大山を起こす恐怖

2019年10月12日 16時30分

決勝弾を放った大山(左)はベンチでナインとハイタッチ

 

セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦が11日、東京ドームで行われ、1位の巨人が3位の阪神に6―7で惜敗。同点の9回、眠れる虎の大砲・大山悠輔内野手(24)に痛恨の決勝ソロを浴びた。通算成績は3勝1敗(アドバンテージ含む)で巨人の優勢は揺るぎようがないが“あの男”だけはピリピリムードを漂わせている。その理由とは――。

 4時間32分に及んだ激闘は意外な男のひと振りで決着した。6―6の9回、2イニング目に入った6番手の中川が大山に手痛い一発を被弾。CS突破は13日以降に持ち越しとなり、試合後の原辰徳監督(61)は「しっかりまた準備をして明後日に備えるということですね」と話した。

 それでも巨人の絶対的優位は変わらない。データ上でも下位チームがCSファイナル初戦から連敗して日本シリーズに進出した例は過去にない。ただ、何が起こるか分からないのが短期決戦。しかも今年はあり得ない事例も頻発している。

 まずは台風19号による影響。12日に予定された第4戦は中止となり、13日に順延。台風による日程変更はCS史上初の措置で、13日の試合開始時間もこの日、当日の交通機関の混乱なども考慮して90分繰り下げて午後3時30分に変更された(さらなる変更の可能性あり)。

 グラウンドでも大山の一発はチームにとっては“想定外”。シーズン終盤から不振が続いており、今季の巨人戦でも打率2割5厘、2本塁打、10打点で主砲の働きを許さなかった。マークすべきはリードオフマンの近本や福留で、大山は伏兵扱いでチーム内から「大山かよ…」と驚きの声が上がったほどだった。

 かたや自軍は先発の高卒ルーキー・戸郷が3回1失点と好投し、主砲の岡本も同点2ランを放つなど好調を維持している。こうしたどこか緩んだ空気を察してか、ピリピリムードだったのが原監督だ。

 この日は球審の厳しいストライク判定も相まって投手陣が計9四死球の大乱調。試合後には首をかしげるチーム関係者も少なくなかったが、原監督は「実戦を想定した練習をやっていたのか?っていうところだろうね。それはしていなかったということでしょうな」と問答無用でぶった斬り、返す刀で「大きな試合になれば小手先の野球は通用しない。やっぱり丹田(たんでん)に力を入れた状態で野球をすることが大事」と3戦で1安打の下位打線も叩き斬った。

 日本シリーズ進出がどんなに現実味を帯びていても石橋を叩き続けるのは、短期決戦の怖さを熟知しているからこそ。12年のCSファイナルでは1位の巨人が中日にまさかの3連敗。ここから3連勝し、アドバンテージの1勝も加えて突破を決めている。

 また、CSでの3連敗からの4連勝は過去には一度もないといっても、日本シリーズでは過去に3度ある。しかも原監督は、有名な「巨人はロッテより弱い」発言により、3連敗から4連勝した1989年の近鉄との日本シリーズでの、巨人の4番打者だ。当時の原と今の大山を同列に扱うのは失礼かもしれないが、あの時も「クロマティを敬遠して原勝負」という屈辱的な扱いをされており、第5戦で怒りの満塁本塁打を放っている。相手をナメすぎて油断していると、手痛い目に遭うということを、原監督は身をもって知っているのだ。

 この日の1敗と、台風による“水入り”で流れが変わるのか、それとも…。