【パCS】得津氏「力入りすぎの西武ベンチが招く悪循環」

2019年10月11日 16時30分

5回、空振り三振に倒れた秋山(中央手前)。左奥は辻監督

【得津高広・快打一閃】ソフトバンクは楽天とのファーストステージに苦労して勝ってきているのもあって、選手の動きがいい。そこは厳しい戦いを乗り越えてきたチームと、実戦から離れていたチームとの差かもしれない。

 初回、いきなりの送りバントは、先に点を取って相手を少しでも慌てさせたかったから。そうしたベンチの思惑通りに、中村晃がしっかり引き付けたお手本のような打撃で先制タイムリー。2回に左前打で一塁から一気に三塁を奪った松田宣の好走塁も見事だった。柳田にもスイングにキレが出てきた。故障から復帰後、不振に陥っていたが、かなり走り込めるようになったと聞いている。ファーストステージの本塁打は飛距離的には柳田本来の当たりではなかったが、完全復活も近いのではないか。

 一方、西武の選手にはみな、スイングに硬さがあった。武田の大きなカーブにはつい、打者の目線が上がってしまうのだが、それであの高め真っすぐのボール球に手を出していては攻略できない。秋山も普段なら手を出さない球なのに、らしさが見られなかった。

 西武ベンチも去年のことがあるから「負けられない」と力が入りすぎて、相当カチンコチンになっているように見える。第1戦の継投ミスなど、ベンチの空気は選手にも伝わるものだ。

 西武はソフトバンクの先発投手の力が落ちる第1戦、第2戦で、少なくとも1勝はしておきたかった。第3戦以降は千賀、バンデンハーク、高橋礼と攻略が難しい投手がまた出てくる。ソフトバンクは西武打線を眠らせたままで一気に4連勝で決めたいところ。そんなことになったら、去年の敗戦で涙した辻監督が、今度は“大泣き”してしまうかもしれないが。(本紙評論家)