【パCS】中村晃の爆発を“演出”した漢・松田宣の流儀

2019年10月11日 16時30分

ベンチを盛り上げる松田宣。千両役者だ

 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦(メットライフ)は2位のソフトバンクが王者西武に8―6で2連勝。対戦成績2勝1敗(アドバンテージを含む)で一歩リードした。楽天とのCSファーストステージで辛酸をなめた松田宣浩内野手(36)がナインに勇気を与えている。

 またも工藤監督の用兵が決まった。ヒーローは不振で出場機会が減っていた中村晃外野手(29)だ。CSファーストステージ第3戦に続いて前日も先発を外れていたが、初回二死一、三塁の好機で右前適時打、3回にはリードを広げる貴重な2ランを放った。

「またグラウンドに戻れるか分からなかった。野球ができる喜びを感じている」。今季開幕直前、中村晃は自律神経失調症であることを公表。連日襲う突発的な発熱や不眠症に悩まされ続けた。5月末に一軍復帰するも不眠に起因するコンディション不良もあり、すぐに二軍降格。8月中旬から一軍に定着しているが、今も「前よりかは眠れるようになった」と言いつつ、グラウンドに立つまでの苦悩は続いている。

 この日は早出特打を敢行。下克上を目指すチームを救おうと必死にバットを振った。工藤監督から対戦相手との相性を買われ、5番に抜てきされるとプライドをのぞかせるように結果を残した。そんな中村晃の活躍を陰で“演出”したのが松田宣だ。

 CSファーストステージ第2戦から先発を外れていた松田宣はCSファイナルステージ第1戦でスタメン起用され、4打点の大暴れ。球団内では起用を巡ってチームの士気に関わるベテランの心理状態を心配する声もあったが、杞憂に終わらせた。この日の松田宣は5番から8番に打順を下げたが、2四球と内野安打1本と泥くさく貢献。“乱高下”する立ち位置にも「そんなのは、もう全く関係ないんですよ。やるだけです」とフォア・ザ・チームの精神を体現している。「思うところはあるだろうが、腐らずやってくれるのが松田。それが今日(の中村晃の活躍)につながった」(球団幹部)

 アメとムチを使い分ける工藤監督の“神采配”も、その用兵に応える選手あってこそ。長年、常勝軍団を支えてきた主力たちが、ここぞの場面で「漢(おとこ)」を見せている。