【パCS】王会長が唸ったソフトバンク・工藤監督の神采配

2019年10月10日 16時30分

先制打を放った松田宣

 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦(メットライフ)は、2位のソフトバンクが1位の西武に8―4で逆転勝ち。対戦成績を1勝1敗(アドバンテージ含む)のタイとした。ソフトバンクは工藤公康監督(56)の采配が大当たりだ。

 試合後、王球団会長も「監督の勘と采配が光っている」とうなった。工藤監督の下した2つの決断が鮮やかな逆転勝ちを演出したからだ。

 一つは松田宣の5番起用だ。楽天とのCSファーストステージでは不振で第2戦から2戦連続スタメン落ち。この日はビジターとしては異例の早出特打ちを命じられた松田宣も「出るとは思っていなかった」と明かしたほどだが、初回二死一、三塁は右中間に先制の2点二塁打。6―4の9回二死満塁でも2点打を放って勝利を決定づけた。

 工藤監督は松田宣のスタメン復帰について「ニールの対戦打率(6打数2安打)を見て5番でいこうと思った」と説明したが、チーム内では「監督の勘が冴えたとしか言いようがない。神のお告げがあったんだろう」と驚嘆の声まで上がった。

 指揮官は終盤にも代打起用でスタンドを沸かせた。1点を追う8回二死一、三塁でファーストステージでも勝負強さを発揮した“短期決戦の鬼”内川に代えて長谷川勇を送った場面だ。「今日は(内川が)ちょっとタイミングが合っていない感じがした。苦しい決断だったが、後悔しないように自分の決断をさせてもらった」。長谷川勇は値千金の同点打を放ち、その後バッテリーエラーで決勝点を奪った。

 この腹をくくった采配にもチーム内からは「あの場面は見事な見極めだった。実は内川の状態が良くなく、先発オーダーに名前がなくても理解できる状況だった。あそこでしっかり決断できたのはさすが」と賛辞が贈られた。非情にも見える采配も、真相は冷静沈着な見極めによる用兵だったというわけだ。

 選手として11度、監督として3度の日本一を経験している工藤監督。短期決戦を知り尽くす男はデータばかりでなくアメとムチも使い分け、2年連続での下克上日本一への機運を高めている。