今年4月に海外FA権を取得していた中日・堂上直倫内野手(31)が9日、国内FA権を取得して迎えた昨オフに3年契約を結んでいたことを明かした。

 地元・愛知出身の生え抜きで親子鷹としても知られるが、規定打席をクリアしたのは2016年の1度だけ。昨季は74試合、今季も98試合の出場にとどまっており、堂上は複数年契約に「結果が出ているわけではなかったのに『必要』という言葉をもらえてうれしかった。モチベーションも上がるし、毎年、さらにいい結果を出せるようにやっていきたい」と張り切っている。

 中日では単年契約が基本だ。近年でも複数年契約を結んだのは大島、平田、ビシエド、吉見ら主力のみ。スーパーサブ的な存在の堂上が複数年契約を勝ち取ったのは異例中の異例ながら、チーム内では「堂上は高い守備力を誇るし、打撃も今季は自己最多の12本塁打を放ってパンチ力もある。イケメンコンテストでは1位でウチの顔だし、早めに複数年を結んでおいてよかった」と好意的に受け止められている。

 一方で、心配なのが海外FA権を保持して今季で3年契約が切れる大島洋平外野手(33)のFA流出だ。チーム関係者は「いまだに球団は大島と何の交渉もしていないと聞いた。地元愛知出身だし、当然残るだろうとあぐらをかいていると、いきなり(15年オフに)FA宣言して阪神に行ってしまった高橋聡文みたいなことになりかねない」と指摘する。

 今季の大島は3季ぶりに全試合出場し、174安打を放って最多安打のタイトルを獲得した。こちらも早めに手を打っておいた方がいいかもしれない。