日本ハムは9日、今年のドラフト会議で1位指名することを公言している大船渡・佐々木朗希投手(3年)への面談を行わない方針を表明した。

 大渕隆スカウト部長(49)は担当の白井康勝スカウトが十分な調査をしていることを理由に「清宮の時も面談をしなかったら当たったので」とゲン担ぎの意味合いを強調しているが、もちろんそれは表向き。日本ハムがそこまでの自信を見せるのは2012年の大谷ドラフト、17年の清宮ドラフトと同様、すでに佐々木側と十分な意思疎通ができているからとみるべきだろう。

 日本ハムは他球団に先駆けて大船渡が岩手・大東町で練習試合を行った6月2日に、吉村浩GM(55)が佐々木の1位指名を宣言。その約3週間前の5月10日には同GM、大渕部長、白井スカウトの3者が大船渡高に出向き、佐々木の練習を視察した上で恩師・国保陽平監督(32)に今秋ドラフトでの1位指名、入団後の育成方針、会社の概要などをいち早く説明したとされる。

 つまり、栗山監督が父親との個人的パイプを持っていた17年の清宮ドラフト、国士館大時代、花巻東・佐々木監督が厚澤ベンチコーチ(当時スカウト)と部屋子(世話係)の関係だった人脈を生かし強行指名、獲得に成功した12年の大谷ドラフトと同様、佐々木側との意思確認はすでに済ませている余裕から、面談はしない方針となったとみられる。

 わずかな懸念は10月17日のドラフト当日、相思相愛の両者を結びつける「縁」があるのかどうかに絞られてきた。