【セCS】阿部vs鳥谷代理戦争

2019年10月09日 16時30分

背番号10Tシャツに囲まれる中、ゲレーロをいじる阿部(右奥)

 執念が勝るのはどっちだ。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが9日、開幕。阪神を本拠地・東京ドームで迎え撃つセ王者の巨人は今季限りで現役を引退する阿部慎之助捕手(40)の花道を飾るべく、さらに一致団結。今季限りで阪神を退団する鳥谷敬内野手(38)をライバル視し、両レジェンドを巡る“代理戦争”の様相を呈している。

 出撃準備は整った。5年ぶりのリーグ優勝を飾った巨人はシーズン最終戦から10日間、試合からは遠ざかったが、2度の紅白戦を行うなど実戦感覚を保ってきた。
 決戦前日の8日は東京ドームで全体練習を行って最終調整。阪神には今季も東京ドームで8勝5敗と好相性を誇るが、原監督に慢心はなく「ゲームそのものも熱戦だったし、我々見ている方も非常に緊張感のある、いいファーストステージだった」とライバルを称した。1勝のアドバンテージについても「まったく頭の中にはない」とピシャリ。「短期決戦といってもけっこう長丁場ですから、あまり左右されずに戦っていくことが大事」と手綱を締め直した。

 リーグ制覇は果たしたが、勝ちたい気持ちは巨人も阪神も同じ。ただ、チーム内では相手がDeNAではなく阪神に決まったことで、さらに燃え上がった思いがある。それは「阪神にだけは負けたくない」というもの。どういうことか。

 ナインは「僕たちが負けたら阿部さんの現役生活が本当に終わってしまう。阪神にも鳥谷さんがいるけど、向こうは退団。こっちは引退です。阿部さんは二度とプレーできなくなってしまう」「引退と退団。重みは全然違う。向こうも『鳥谷さんのために』となるでしょうから、なおさら負けたくない。勝ちたいんです」と強烈な対抗心を燃やしているのだ。

 これまでの巨人―阪神戦と異なるのは、終戦した瞬間に生え抜きレジェンドが一つの役割を終えること。阿部は19年間の現役生活に終止符を打ち、鳥谷はタテジマのユニホームを脱いで現役続行の道を模索する。

 この日の練習でチームは指揮官をはじめ首脳陣、全選手、スタッフが「背番号10」がプリントされたTシャツを着用し、ますます団結ムードを高めた。「また明日だな」と言葉少なに球場を後にした阿部に、原監督は「シーズンと一緒。シーズン中もいろんな場面で彼の力を必要とした」と変わらぬ大きな信頼を置いた。

 阿部か、鳥谷か…。いずれ勝負はつくが、Gナインはプライドにかけて「打倒・阪神」を成し遂げる覚悟だ。