ソフトバンク・高橋礼 見事だった楽天・浅村への「攻め」

2019年10月08日 16時30分

高橋礼

【加藤伸一・インハイアウトロー】ソフトバンク先発の高橋礼はベンチの期待以上に好投したと言っていいだろう。今季が2年目ながら、まだ新人王の資格を持っているように実質的には1年目のようなもの。第1戦に先発した千賀や第2戦のバンデンハークに比べて、大一番での経験値は少ない。その分だけ、怖いもの知らずで「攻めの投球」ができた面はあると思う。

 前日まで2戦3発と絶好調の浅村に対しての投球も良かった。チームとしての方針もあったのだろうが、初回の第1打席は徹底的に内角を攻めた上で遊ゴロに料理。4回の第2打席ではカウント1―1から内角を狙ったボールが少し甘く入ったところを右翼テラス席まで運ばれたが、打った方を褒めるべき。配球に問題はなかったし、全般的にキレもテンポも良かった。

 結果的に6回一死一、二塁でマウンドを高橋純に譲ったが、工藤監督が継投を決断したのはCSという特別な舞台だからだろう。レギュラーシーズンだったら次打者が一発のあるブラッシュでも高橋礼の続投だっただろうし、それぐらい投球内容に問題はなかった。

 今季は千賀に次ぐチーム2位の12勝をマークしたが、かわす投球になっていた9月中旬の西武戦と楽天戦でたて続けに敗戦投手となり、王球団会長から「打者は向かってくるボールが一番嫌なんだ」とアドバイスされたと聞く。その教えを胸に最後まで打者に立ち向かい、実績のある相手先発の岸と互角に渡り合ったのだから大したものだ。本人にとっても大きな自信になっただろうし、キャリアに関係なく「攻めの気持ち」がないと結果がついてこないことを改めて感じさせてくれた投球だった。

 次は9日からリーグ覇者の西武に挑む。同じ顔合わせだった昨年のCSファイナルステージはソフトバンクが打ち勝った格好だが、シーズン終盤から打線が一発頼みとなっているのは気になるところ。エース千賀は中5日で第3戦に回るとみられ、和田と武田の先発が予想される1、2戦をどうしのぐかが鍵になりそうだ。

(本紙評論家)