故金田正一氏「枕にも命をかけている」自己管理術

2019年10月07日 16時30分

本紙創刊号の1面コピーを手にした金田氏(2011年1月)

 急性胆管炎による敗血症のため6日に86歳で死去したプロ野球の400勝投手・金田正一氏は、1960年4月1日の東京スポーツ創刊号の1面に登場。創刊50周年連載の一環で2011年にはインタビュー記事でその言葉が紙面を飾った。

 当時、「(誕生日が来れば)もう78やで」と年齢に触れた金田氏。話は引退後に体重が増えてしまう元選手が少なくないことに及び、「我々は生活が忙しいから太るに太れない、ハハハ」と豪快に笑った。

 国鉄(現ヤクルト)から移籍した巨人では、王貞治氏(79=現ソフトバンク球団会長)、長嶋茂雄氏(83=巨人軍終身名誉監督)とともに「ONK」と称された。04年に長嶋氏が倒れ、06年には王氏が胃がんの手術を受けた。両氏が病を克服したことを念頭に、金田氏は「これから(3人の中で)最高齢者がどのようにやるか」と健康管理にも言及した。

「恐ろしいほどのプロフェッショナルですよ、自分の体に対して」。そんな自負を象徴する一つが枕で、自身プロデュースの商品が販売されたのは有名。現役時代、旅行先の枕が合わずに寝違えて投球できなくなったことがたびたびあり、「枕にも命をかけている」とまで「マイ枕」にこだわるようになった。

 欲望を全開させたかのような生き方。「女を抱いて何が悪い。お酒を飲んで何が悪い」と言い放ちつつ、「それも自己管理でやらにゃ」。酒に飲まれない、女性におぼれすぎないよう自己コントロール法を覚えるのがプロだといい、「集団生活のエリートでいい野球ができるかい!!」と語気を強めた。

 33年生まれは昭和一桁(8年)世代。この年齢層は「ひもじい生活に耐え、頑張って生きてきた祖父母から食べ物を大事にすることを教わってきた」という。そんな戦前生まれのヒーローがまた一人、旅立った。