セ・リーグのCSファーストステージ第2戦が6日、横浜スタジアムで行われ、阪神はDeNAに9回、4―6のサヨナラ負けで対戦成績を1勝1敗の五分にされた。阪神はシーズン終盤から続いていた連勝が7でストップ。巨人の待つファイナルステージ進出チームは7日の第3戦で決まる。

 痛恨のサヨナラ負けにも矢野燿大監督(50)に悲壮感はなかった。万策尽くしての敗戦とあって「お互い、すごいいいゲームができた。決め手が最後、向こうにあったというだけでみんな精一杯やってくれた」とサバサバしたもの。勝負の第3戦に向けても「明日も思い切ってぶつかっていくだけ。やり切ってくれたらいい」と言い切った。

 今後の勝ち上がりに向けての課題は“ジョンソンショック”の克服だ。今季58試合で防御率1・38と抜群の安定感を発揮していたセットアッパーのピアース・ジョンソン投手(28)が夫人の出産立ち会いのためCSファーストステージ第1戦当日の5日朝に緊急帰国。事情が事情とあって現場は助っ人右腕が無事に再来日するのを祈るしかないが、抜けた穴は大きい。チーム関係者は「何とか穴を埋めようと、投手陣はみんなやれることはやっている。でも、ワンプレーで流れが変わる短期決戦でシーズン以上に不在が響いているのは確か。それだけジョンソンが今年のうちのブルペンを支えていたということなんだが…」と頭を抱える。

 その影響が出たのが6回だった。シーズン終盤から中継ぎに転向し、結果を出していたガルシアが失点した。緊迫した終盤での1イニング起用はこの日が初めて。本人は「次はしっかり抑える気持ちでやりたい」と殊勝だったが、ジョンソンがいればこんな起用もなかった。回またぎの2イニング目でつかまり、乙坂のサヨナラ弾を浴びた岩崎もしかり。シーズン同様の運用ができれば引っ張る必要はなかった。

 さらに、頭が痛いのは出場選手登録の問題だ。「日本シリーズと違ってコロコロ入れ替えられないので抹消ができない」(球団スタッフ)と代わりの投手を補充できず、登録したまま助っ人右腕の帰りを待つしかない事情も投手運用の足かせになっている。引き分けでも敗退が決まる第3戦は「絶対に勝つ。出し惜しみはしない」(清水ヘッド)と総力戦で臨む。ラグビー日本代表から刺激を受け、投手陣は「ワンフォーオール、オールフォーワン」と気合を入れているが、いまこそ一丸で難局を乗り切りたい。