今年度のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが5日にセ、パ両リーグで開幕。セでは6連勝フィニッシュでCS出場を決めた3位・阪神を、2位のDeNAが横浜スタジアムで迎え撃つ。パは2位・ソフトバンクと3位・楽天がヤフオクドームで激突する。前日練習が行われた4日、それぞれの直前舞台裏をのぞいてみると――。

 勢いに乗る阪神は4日、甲子園球場で全体練習を敢行。投手陣はキャッチボールやダッシュ、野手陣は守備練習やフリー打撃で最終調整し横浜入りした。

 就任1年目でCSに臨む矢野燿大監督(50)は「最後は6連勝しないとCSに出られないところで、いい予行演習ができた。うちの一番の強みは投手陣。最少失点に抑えられるように考えながらやっていく」。シーズン最終盤は先発ローテだったガルシアを第2先発に配置転換するなど大胆な継投策が当たり、3位滑り込みに成功したが、同様の戦い方でCS勝ち上がりを狙っている。

 勝利のためにはすべてをやり尽くすつもりだ。現役時代やコーチ時代はゲン担ぎはしないタイプだったというが、指揮官となってからは一転して担ぐようになったという。

 特に6連勝した期間は「球場に来るときに毎日、何種類かあるものを順番にはいていた。勝負には赤いパンツがいいというから」(矢野監督)と“勝負パンツ”を着用。赤いパンツをはくと体温が上昇し、ヤル気も上がる効果があるとされているが、負けられない今回も「やらないと気持ち悪いから」と勝負パンツ継続で必勝を期すつもりだ。

 そんな指揮官の執念にチーム内からは「監督は引退してからもスタイルを維持していて着るものにもこだわりがあったようだけど、まさか赤パンツをはいていたとは…」(球団関係者)と驚きの声が上がったほどだが、それほど下克上への思いが強いということ。「甲子園でやれるのは最高の幸せ。それを目指してやっていく」とDeNA、巨人を倒し本拠地での日本シリーズ開催を誓ったが、果たして…。