今年度のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが5日にセ、パ両リーグで開幕。セでは6連勝フィニッシュでCS出場を決めた3位・阪神を、2位のDeNAが横浜スタジアムで迎え撃つ。パは2位・ソフトバンクと3位・楽天がヤフオクドームで激突する。前日練習が行われた4日、それぞれの直前舞台裏をのぞいてみると――。

 DeNAが“下克上日本一”へリスタートを切る。4日に横浜市内のホテルで行われた前日会見に出席したアレックス・ラミレス監督(45)は、5日の第1戦先発にレギュラーシーズンでは主に中継ぎとして起用した石田を指名し、エース・今永をブルペン待機させる“奇策”も打ち出した。

「阪神とのデータも見て、石田でいこうと思った。もちろん今永も頭にはあったが、今永の初戦先発は野球を知っている人ならば予想する。阪神もそう思っているはず。今永はエースなので、そこで負けてしまうとそれっきり使えなくなってしまう。最初に(先発で)投げたらもう(CSファーストステージでは)投げられない。1日(1試合)以上投げてもらう可能性があるかなと思っている」とコメント。冷静に語る口調からは、2年前にもチームを率いて3位からCS突破を果たした「短期決戦の鬼」としての自信も感じ取れた。

 一方、その指揮官からキープレーヤーの一人として名指しされた主将の筒香も会見に同席した。「公式戦とCSはまったくの別物。事実として(阪神には8勝16敗1分けで)負け越しているけれど、明日からは別の試合なので」と述べ、気合をのぞかせた。右手小指打撲のためシーズン最終盤に離脱したものの、1日の紅白戦で豪快な2ランを放つなど復調をアピール。全体練習でもフリー打撃で快音を響かせた。

 主砲の“全快モード”には、田代富雄一軍チーフ打撃コーチ(65)も「いいよ!」と本紙に太鼓判。「もうツツ(筒香)はいろんな意味でチームを引っ張ってるし、いなくなったときでもね。存在感というのはものすごく感じたからね。(戻ってきたのは)大きいよ。ソトも元気だし、ロペスも頑張ってるし。宮崎もいい状態だからね」とも続けた。シーズン中は不調やケガなどでなかなか出揃わなかった打線がCSで「完成形」となったことで、確かな手応えをつかんだ様子だった。

 最後に同コーチは「(CSは)“男の意地”というのを見せていい場所だと思う」。目指すはもちろん2年ぶりのCS突破だ。