中日・大野雄 昨季0勝からの初タイトルをチームがアシスト

2019年10月01日 16時30分

最優秀防御率を確定させた大野雄(右)は降板前にナインから祝福された

 中日・大野雄大投手(31)がプロ9年目して初タイトルとなる最優秀防御率をつかみ取った。30日の阪神戦(甲子園)に先発し、3回1/3を無失点に抑えて広島・ジョンソンの防御率2・59を抜いてリーグトップに躍り出たところで交代。広島とのCS進出争いのかかった阪神相手に、勝てば4年ぶり4度目の2桁勝利に王手をかけていたが、タイトル優先の早期降板を選択した裏には何があったのか――。

 中日は今季最終戦で0―3と零封負け。それでも明るい話題は大野雄が最優秀防御率のタイトルを確定させたことだ。勝てばCS進出が決定する阪神を相手に、4回一死までパーフェクト。この時点で広島・ジョンソンを抜いて防御率2・58でリーグトップに立ち、与田監督が交代を告げた。

 それまで完全投球だった大野雄の降板には、阪神ファンから拍手喝采が沸き起こる異例の事態となった。というのも、大野雄は9月14日の阪神戦(ナゴヤドーム)でノーヒットノーランをやられた天敵だからだ。

 前日に阿波野投手コーチから3回1/3での降板を打診された大野雄は「タイトルはなかなか取れるチャンスはないので、それでお願いします」と承諾。その上で「チームには個人記録を取るためにわがままを許してもらい感謝しています」と語った。

 9月27日の広島戦(マツダ)で野手陣は円陣を組んで「大野のためにジョンソンを打とう」と誓い合い、宣言通りに自責点4をつけた。広島遠征に行っていなかった大野雄はこれを伝え聞き「最後のチャンスはみんながつくってくれた。これは自分が絶対に取らないといけない」と奮起。今季9勝8敗で4年ぶり4度目の2桁勝利も目前だったが「今日は全然」と節目の勝利を完全に頭から排除した。

 結果的に2番手・三ツ間が2失点、3番手・山本が1失点を喫したことで阪神の逆転CS進出を後押しする格好となり、広島ファンには恨まれる展開となった。しかし、大野雄からすれば、4回以降もゼロでいける保証はない。「すごく緊張しました。甲子園の防御率(今季2試合で3・24)も悪かったし、必死にいった結果、ゼロに抑えられたけど、そこから投げていたら、どうなっていたか分からなかった。自分は10個のアウトを全力で取りにいくという気持ちでマウンドに上がった。みんながつないでくれたので、自分だけでは取れなかった」と満面の笑みを浮かべた。

 与田監督も「プレッシャーのかかる場面だったと思うが、昨年(0勝)を考えると、いい形で結果を残すことができてタイトルを取ることができて良かった」と労った。自信をつけた来季の大野雄は最多勝を含めて複数のタイトルを取るような活躍が期待できそうだ。