日本ハム・実松が引退会見 愛され続けた理由を記者が感じた瞬間

2019年09月27日 16時30分

笑顔で引退会見を行った実松

 今季限りで現役を引退する日本ハムの実松一成捕手(38)が26日、札幌市内の球団事務所で記者会見を行った。実松は「僕自身誇れるような成績は残してこれませんでしたが、21年間プロ野球に居れました。これだけは自信にしていきたいです」と晴れ晴れとした表情。今後の予定については未定としつつも「今まで自分がしてもらったことをこれからの子たちに伝えていけたら」と、指導者としての思いを口にした。

 この日の試合前には、引退セレモニーも実施された。同期入団で現野球解説者の建山義紀氏と森本稀哲氏らが登場し、花束を贈呈。チーム内からは二軍でリハビリ中のエース・上沢らもグラウンドに駆け付け、笑顔で握手を交わすなど、実松の人望の厚さがうかがえた。試合後には胴上げもされ「今日は泣かないと決めてたからね。ちょっと危なかったけど」と目を潤ませた。

 チームメートはもちろん、報道陣からも愛される存在だった。とある日の試合終了後、球場から引き揚げる実松に「お疲れさまでした」と声をかけると「(試合に)出てないから疲れてないよ」と自虐気味に返事。一見すると、こわもてな様子とは裏腹に、ユーモアのある言葉で日々場の空気を和ませていた。この日の試合後も「明日からはユニホームは着ないよ。街で見かけても話しかけないでね」と言い残して球場を後にするなど、最後まで“実松節”は健在だった。

 ユーモアとは異なるが、忘れられない実松の言葉がある。記者が結婚したことを報告したとある日のこと。家族思いで知られる実松のようになれるよう「サネさんみたいな男になれればいいんですけどね…」と思わずこぼした。すると実松から「変わる必要ないよ。そのままでいいんだよ、自然体で。そこにお互いほれたんだろ?」と力強い言葉が返ってきた。そのひと言にしびれたことを今でも覚えている。


 時に冗談、時に真っすぐな言葉――。21年間、多くの人々から愛され続けてきた理由が分かった。