西武が24日のロッテ戦(ZOZOマリン)に12―4で勝ち、ソフトバンクが楽天に敗れたため、2年連続23度目のリーグ制覇を果たした。

 自身3度目のリーグVに酔いしれたプロ18年目の中村剛也内野手(36)が、打者としての究極と言える「普通の境地」に到達した。

 今季は不振の山川に代わって8月11日のロッテ戦から2シーズンぶりに4番を務めた。8、9月は出場44試合で166打数53安打(打率3割1分9厘)、10本塁打、47打点と大暴れ。4番に座ってからの39試合はチームも28勝11敗(勝率7割1分8厘)と驚異的な強さを見せ、21年ぶりのリーグ連覇を成し遂げた。

 個人記録は自己最高の打率2割8分6厘に、30本塁打、123打点と文句なし。特に満塁での勝負強さは神がかり的で4本塁打を含む5割3分1厘(32打数17安打)、49打点と全打点の4割以上を満塁機で稼ぎ、一部ファンから「満塁神」とあがめられるほどだった。

 ベテランと言われる年齢に達し、体は常に満身創痍だ。「(首脳陣に)いろいろ配慮してもらいながらDHに入ったり、休養をもらいながら何とか持ちこたえたという感じ」と離脱と背中合わせの綱渡り状態だった。

 そんな「満塁神」は18年目で到達した境地をこう明かす。「状態は常に普通。普通でいい。普通か悪いかの2つしかない。普通がMAX(笑い)。そういう感覚でいないとしんどいから。調子がいいと思うと慢心につながる。(打撃が)雑になったりする。だから、どれだけ打っても、打てなくても普通。普通と思っていたら考えることも少ないしね。今年に関しては打撃のことで悩むこともないし、そういうところに行き着いた」

 通算415本塁打(歴代16位)、6度の本塁打王(歴代3位)、3度の打点王に輝くスラッガーが行き着いた匠の境地はシンプルゆえに奥深い。