ミラクル勝利にハマスタが揺れた。DeNAが19日、広島戦(横浜スタジアム)で延長戦の末、11―8でサヨナラ勝ち。8―8で迎えた延長11回、最後はネフタリ・ソト内野手(30)がこの日2本目となる42号3ランを左中間スタンドへ叩き込み、ナインとともに歓喜の輪を作った。

 試合後のソトは「最後はフォークが甘く入ってきたので、それを狙って打った」と満面の笑み。

 5回終了時点で7点もの大差をつけられる絶望的な展開だったが、続く6回にベイ打線は猛反撃を開始。まずソトが41号3ランを左翼席へ放り込み4点差とすると、その後は一死満塁から代打・梶谷隆幸外野手(31)も続いた。4球目のカーブをかち上げるようにベイファンの待つ右中間スタンドへ。7―7のタイスコアに引き戻す代打グランドスラムは自らにとってもプロ通算100号本塁打のメモリアルアーチとなった。

 再び1点リードを許した8回表の中堅守備でも梶谷は二死二塁の場面で磯村の放った右中間への当たりを滑り込みながら好捕し、追加点を阻止。そして8回裏には一死二塁から右翼線へ適時二塁打を放ち、8―8の同点に戻す殊勲打も放った。

 サヨナラ弾を含む2本塁打を放ったソトとともに、攻守の両面でチームに奇跡の逆転勝利を呼び込んだ梶谷はお立ち台で「自分が一番興奮している」。そしてこれ以上ない場面で生まれたプロ13年目での通算100号については「プロに入ってまさか100本打てるとは思っていなかった」と白い歯をのぞかせた。

 梶谷を入団当時から指導してきた田代富雄一軍チーフ打撃コーチも“愛弟子”の豪打爆発には満足げ。本紙に「あっ、100(号)なんだ!」と目を丸くすると、こう続けた。

「ここは努力なんて当たり前の世界だけど、アイツ(梶谷)はそれ以上にやったんだよな。それで、こういうところで打つっていうのは大きいよ。チームも(優勝の)可能性のある限り、諦めずに戦う。脇役じゃつまんねえし、主役にならないと!」

 首位・巨人とは3差。20日からの本拠地・巨人2連戦で再びミラクルを呼び込む。